2004-05-01 [長年日記]
_ [Life] イスラエル支援企業リスト: イスラエルのパレスチナ占領と暴力を支援する企業を支援しない
最近のイスラエルの行状は好ましく思っておらず(というかやっていることのレベルがほとんどナチだ)、かつほぼ毎日近所のスタバに数百円ずつ落としている人間としてはそうですねボイコットしましょうと言いたい気分も無くはないが、GNU/Linuxにしてもアクティヴな開発者でイスラエルに住んでいるユダヤ人はそれなりにいるし、FSFでいっしょに作業しているOfer Waldmanもイスラエルのユダヤ人だし、なかなか微妙な立場である。
そういえば、昔DPL選挙に出馬した開発者でmoshez (Moshe Zadka)というのがいたが、こいつはイスラエルに住んでいるばりばりのシオニストなのだった。確か9・11テロの前後のことだったと思うが、IRCの#debian-develチャンネルにいたほぼ全員(たまたまヨーロッパ系と私のような日本人しかいなかったのだが)を敵に回して、一人でイスラエルのパレスチナ占領の正統性と、イスラエルはヨーロッパの一部だがトルコはヨーロッパの一部ではない(だからトルコではなくイスラエルを先にEUに入れろ)という自説を頑強に主張していたのを目撃したことがある。私もシュッ・シュッでは人後に落ちないつもりですが、あそこまで根性は座っていないですね。
まあ、それを傍目に見ていて、しみじみ教育(というか刷りこみ)というのは恐ろしいなと思った。また、ヨーロッパ系に潜むかすかな反ユダヤ感情に加え、それでもなおかつヨーロッパの仲間入りがしたいというイスラエルの気分も感じとれ(最近ではアメリカとつるんでいるからどうでもいいのかもしれないが)、なかなか興趣深い体験ではありました。
2004-05-03 [長年日記]
_ [Debian] CVS bf-blenderのDebianパッケージ
たぶん
- 日本人で
- Debianで
- Blenderを使っている
危篤奇特な方は多く見積もって3人くらい(ちなみに私は使っているとはおこがましくて言えないので除外)だと思われるので、ここに書いても仕方ないのだが (だからPlanet Debianにも書いた)、bf-blenderのCVS snapshotベースのdebを用意しました。
deb http://people.debian.org/~mhatta/debian/blender ./
deb-src http://people.debian.org/~mhatta/debian/blender ./
やっつけ仕事なのでうまく動かなかったらごめんなさい。折に触れて更新する予定。何か要望があればこの日記にでもWikiにでも書いておいてください(Wikiのほうがいいかな)。Wikiの使い方に関しては相変わらず考えがまとまっていないのですが。
2004-05-05 [長年日記]
_ [Music] Hand To Hand / George Adams & Dannie Richmond
Amazon.co.jpでは在庫切れになっているのだが、HMV.co.jpで注文したら数ヵ月かかってつい最近ようやく届いた。Soul Noteも同じイタリアのRedやデンマークのSteepleChase同様、一時的に品切れにはなっても絶対に廃盤にはしないレーベルのようである。偉い。
以前後藤雅洋さんがどこかで推していて、それ以来聞いて見たいと思っていたのだが、さすがに充実した噂どおりの快作だった。この内容なら暑苦しいジャケットにも負けない。ジミー・ネッパーとの2ホーン編成だが、アダムスのテナーが燃える燃える。ちなみにヒュー・ローソン (p)のオリジナルが二曲(The CloockerとJoobubie)演奏されているが、これらはモンクとの共演で知られた故チャーリー・ラウズの1977年のリーダー作でも取り上げられている。
2004-05-06 [長年日記]
_ [Music] Elvin is still with us
Elvin Jonesが心臓をやられて瀕死だという話があって、今朝に至ってはもう死んだという噂も流れていたのでたまげていたのだが、ようやくこの件に関してJazzTimesに記事が出た。まだ酸素ボンベが欠かせないようだが、瀕死というほどひどい状況ではなく快復しつつあるとのことである。よかったよかった。
_ [Music] Swiss Movement / Les McCann & Eddie Harris
世評では超有名な血管ぶち切れ熱狂ライヴ、ということになっているが、今の耳で聞くと案外落ち着いているような気がせんでもない。特に一曲目以外はかなり渋い曲が多いような気がする。
で、さっきからその問題の一曲目Compared To Whatばかり聞いているのだが、大意は分かるのだけれどどうも歌詞の細かい意味がはっきりしない。Wikiにわかったところまで書いておいたので英語に詳しい方教えてやってください。だいたいタイトルからしてうまく訳せないのが情けない。
しかし、現時点ではいいかげんな推測が多いのだが、それでもこの歌詞の内容は現在の状況と比較してみるとなかなか味わい深い。ありがちといえばありがちな皮肉だが、結局のところ私たちはあんまり1970年から進歩してないのかもしれませんねえ。あるいはようやくシンプルでかっこいい1970年に戻って来たといことなのかもしれないが。
2004-05-09 [長年日記]
_ [Food] Patisserie KAMITANI@大泉学園
今日は母の日である。私は道徳心が皮をかむったような仮性孝行息子なので、ケーキを買ってついでに歓心も買うことにした。
このパティスリー・カミタニは家のすぐ近所に去年できた店だ。どうやらキハチののれんわけらしい。大泉近辺でケーキ屋と言うとパティスリー・プラネッツの天下なので、駅に近いという地の利を生かしてどうプラネッツの牙城に食い込んでいくのかが興味深い。
でケーキ食ってみたんですが、うーん、値段が高い割に、味はまあパティスリー・プラネッツの勝ちかもしれん。一方で意外にサブレとか焼菓子がいける。こういう形で(焼菓子はあんまりうまくない)プラネッツと棲み分けていくということなんだろうか。
パティスリー カミタニ
〒178-0063
練馬区東大泉4-27-40
Tel. & FAX 03-3922-2780
2004-05-10 [長年日記]
_ [Music] ドレミノテレビ
UAが「ううあ」としてNHKの子供番組で童謡を歌っている(リンク先にRealのクリップあり)。その時点で何か致命的におかしい気がしないでもないわけだが、アレンジャー陣も狂っていてこれはすごい。たまげた。というか、いまさら何を言ってるんだと言われそうだが、UAて凄い歌手ですね。インテルプリチというか。
菊地成孔がDCPRG風にアレンジした「いっしゅうかん」を聞かされて育った子供はいったいぜんたい将来どうなってしまうんだろう(でも出来としてはちょっと凝り過ぎだと思う)。他にも、なぜかものすごくハードコアなジャズアレンジになっている「てのひらをたいように」とか、わけわかんねえよ(笑)。
いずれにせよ、この水準の子供向け番組をつくってくれるなら、よろこんで国営放送に受信料をお支払いたしますです。
2004-05-11 [長年日記]
_ [OpenSource] インターネット養成ギプス
ドレミノテレビにいたく感銘を覚えたのでしばらくNHKのページを眺めていたら、ネタブラカダブラとかいう小学生〜中学生向けにインターネットを教える教材ページがあった。で、その第22講ではなんとオープンソースを取り上げている。またしても国営放送に一本取られたという格好。他にも著作権とか、ハッカーとクラッカーの違いとか、かゆいところに手が届くカリキュラムとなっていて感心する。
まあ、その、細かい部分ではいろいろ言いたいことはあるわけですが(笑)、例えばオープンソースに関しても公開だけではなく自由な改変にも触れているし、それほどピントははずれていないと思う。悦ばしいことである。NHK万歳。
2004-05-17 [長年日記]
_ [Life] COBUILDにおけるhackerの定義
そういえば山根信二さんが「私の場合はハッカーの定義を比較して買います」とおっしゃっていたので、さっそくhackerで引いて見た。
hacker
hacker hackers
1 [N-COUNT]
A computer hacker is someone who tries to break into computer systems, especially in order to get secret information.
2 [N-COUNT]
A computer hacker is someone who uses a computer a lot, especially so much that they have no time to do anything else.
まあ1は論外だが、「ハッカーとはコンピュータ使う以外のことをする暇が全くない奴」という2もなかなか気合いの入った解説と言えよう。
_ [Life] COLLINS COBUILD Resource Pack on CD-ROMをEPWING形式で使う
前々からまともな英英辞典が欲しいと喚いていたのだが、mixiやアソシエイトなどでもらったAmazon.co.jpのギフト券がそこそこ貯ったので COLLINS COBUILD Resource Pack on CD-ROMを買ってみた。最近定番とされるロングマンではなくCOBUILDなのは単なる趣味です。
書籍版コウビルド英英辞典にもCD-ROMは付いて来るのだが、Resource PackにはThesaurus、Grammar、Usageの三つが追加収録されているという。Thesaurusはシソーラスだが、じゃあ他のふたつはなんだというと、以下のようなものだ。
_ Grammarのサンプル
6.8 beginning af clause for emphasis
You can emphasize the adjunct by placing it at the beginning of the clause, in front of the subject.
・ Gently Fanny leaned forward and wiped the old lady's tears away.
・ In his excitement Billy had forgotten the letter.
_ Usageのサンプル
free - freely
no controls
You use free as an adjective to describe activities which are not controlled or limited.
・ Within the EC there is free movement of labour.
・ ...a free press.
You do not use free as an adverb with this meaning. Instead you use freely.
・ We are all comrades here and I may talk freely.
という具合で、Grammarは文法の説明、Usageは用法に関する細かい注意というわけです。こういうのとシソーラスを電子情報として欲しければ、Resource Packを買わなければならない。私はシソーラスもよく使うのでResource Packを買ったのだが、まあ普通は書籍版で十分かも。
さて、そのままでは独自形式だし、Windows上で使いたいわけでもない。ゆえにこいつをEPWING形式に落としたいわけだが、RubyでCOBUILD変換スクリプトを書いた方がいらっしゃるので、これを使わせていただく。このスクリプトによりEBStudioが理解できる形式(まあ実態はHTMLなんですが)にまず落とし、さらにEBStudioでEPWING形式に変換するという手順を踏むわけだ。なおEBStudioはシェアウェアだが、たかだか1000円ちょいなのでさくっと払っておく。なおスクリプトの実行自体はGNU/Linux上(Ruby 1.8.1)でも何の支障もなく行えた。
細かい手順はスクリプト付属の説明書を見れば分かるが、時間としては本体とWordbank合わせてCeleron 700MHz、メモリ512MBのマシンで3-40分といったところ。要したディスク領域は80MBくらいだ。これをWindowsに持っていき、EBStudioにかけるとEPWING形式のCOBUILDができあがる(こちらはほとんど一瞬)。ebzipをかけた(squeezeはかけていない)最終的なファイルサイズはCOBUILD本体が約20MB、Wordbankで約120MBと案外大したことがない。なお、図版も取り込みたければ変換スクリプトがディレクトリ img/の中に出す *.gif をJPEGに変換しなければならないのだが、これはImageMagickのmogrifyを使って
$ mogrify -format jpg *.gif
とかやれば簡単だろう。
_ 項目のサンプル
free ***
free freer freest frees freeing freed
1 [ADJ]
If something is free, you can have it or use it without paying for it.
・ The seminars are free, with lunch provided.
・ ...a free brochure with details of gift vouchers.
free of charge: see charge
COBUILDは癖の強い辞書だと言われるが、紙媒体でずいぶん長いこと使っているせいか個人的にはあまり違和感がない。特によく言われるのが、このサンプルでも見られるような「If なんとかかんとか」という説明口調のようだが、まあこれはこういうものなので慣れるしかあるまい。電子化してみると、案外例文集のWordbankに使いでがあることに気づいた。
2004-05-23 [長年日記]
_ [Life] ろくでもない人生
結局バッドプラスのライヴには行けなかった(宮尾さんすみません)し、へんな習い事を始めてしまったし、へんな女の子を好きになるし、相変わらず原稿は書けないし、修論のサーベイも進まないし、どうも人生がまずい方向に向かっているような気がする。まあまずい方向に向かっているのは今に始まったことではないのだが。
_ [Sun Ra] Calling Planet Earth / Sun Ra
今日はサン・ラーの(地上では90回目の)生誕節なので、一日中彼の音楽ばかり聞いていた。この3枚組CDは、1971年のデンマーク・ツアーの最中どうしてもエジプトに行きたくなったサン・ラーが、旅費の足しにするためコペンハーゲン空港でブラック・ライオン・レーベルに売り飛ばしたライヴ・テープをまとめたもの。1966年から1971年あたりまでの演奏の寄せ集めだが、内容的には素晴らしいものが多い。
例によってAmazon.co.jpでは品切れのようだが、組ではなくバラなら輸入盤を扱っている店でたまに見掛けるので、見付けたら買って損はないと思う。ジャケットはエヴァンゲリオンの綾波レイみたいな女の子のネガ写真で、かなりわけがわかりませんが、妙にマッチしていると言えなくもない。ブラック・ライオンにはあともうCD1枚ぶん未発表音源があるはずなのだが、早く出してくれんかのう。
2004-05-28 [長年日記]
_ [Music] Accent On The Blues / John Patton
最近某中古CD屋で見付けて即買いした。何とも良い湯加減。アヴァンギャルド・ファンキーとでも言うべき妙な選曲と味付け。しかもギターはオーネットの弟子のジェームズ・ブラッド・ウルマー。わけわかんねえ。といいつつずーっとリピートでかけっぱなしです。頭が溶けそうです。
一曲だけ名コンピ盤のThe Lost Grooves (後述)にも入っていたのだが、今回オリジナルを買って見たら曲名クレジットが間違っていることに気づいた。The Lost Groovesに収録されたのはVillage Leeの別テイクじゃなくてLite Hitの別テイクではありませんか。まあどうでもいいんですが。
これが問題のThe Lost Grooves。私はかなり高い確率で持ち歩いています。赤ん坊のおしゃぶりのようなものです。廃盤かと思っていたらまだAmazon.co.jpでも手に入るみたい。悪いことは言わないのでお買いなさい。ジャケもかっこいいです。
60年代末のブルーノートに残されたオルガンものの未発表分を総ざらえといった趣旨だが、結果として一昔前に猖獗を極めたレア・グルーヴの最良の部分を抽出したようなコンピレーションとなっている。渋谷系の元ネタが知りたい、オルガン・ジャズを聞いてみたいけど恐くて手が出せない、4200番台以降ブルーノートがどうなってしまったのか知りたい、エロいBGMが欲しい、といった幅広いご要望にお応えできると存じます。非常におすすめ。
ちなみに最後を飾るスタンリー・タレンティンのYou Want Me to Stop Loving Youはまじ泣ける。この曲だけでもお前ら聞きなさい。一応真面目で純朴なジャズバカの関心を惹くようなことも書いておくと、この曲を収録したのが、アルフレッド・ライオンが最後に自分でプロデュースしたセッションとなったのでした。残りはいまだに表に出てない。
2004-05-30 [長年日記]
_ [Food] 焼菓子工房ホームメイドマーム@大泉学園
シフォンケーキが中心のお菓子屋。大泉のモスのほぼ正面。いわさきちひろ美術館内の喫茶コーナーにも卸しているらしい。今回はチョコレートのシフォンケーキと名称不明の焼菓子 (中に甘いくるみのフィリングが入っている)を頂きましたが、特に後者がたいへんおいしゅうございました。無添加だそうです。
焼菓子工房ホームメイドマーム
178-0063 東京都練馬区東大泉3-2-5
Tel/Fax 03-3921-7670
日曜定休
2004-05-31 [長年日記]
_ [Music] Dr. Jackle / Jackie McLean
宝島のムックに書いたときもちょこっと言及(「1966年の2枚のアルバム」とはこれとTune Upのことです)したくらいで、音質はあまり良くないもののブチ切れヤクザマクリーンがうめきまくるやら暴走しまくるやらで最高にヤヴァイ私好みのアルバムなんですが、今日になってふと気づいたことがある。
一曲めは「Dr. Jackle」とクレジットされていて、マイルズも取り上げた有名なマクリーンのオリジナルだしもちろんCD自体のタイトルでもあるんだが、よくよく考えて見たらこれはMinor Marchだ。全然違う曲である。今まで気がつかなかったとは不明で情けない。しかしSteepleChaseも案外やることがアバウトだなあ。
_ 左肩の痛みのヒト [心臓関係?(w]
_ mhatta [心臓ねえ、心臓にいいことしてないからなあ。]