My Human Gets Me Blues

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2008-08-13 [長年日記]

_ [Music] Com-post Radio(active)更新

告知するのを忘れていたが、地味に更新しとりますですよ。例によって新規追加曲のリストはこちらの下のほうに。

_ [Music] Legends of Acid Jazz / Johnny "Hammond" Smith

Legends of Acid Jazz(Johnny "Hammond" Smith)

暑くてどうにもならんので、あえて暑苦しい音楽を聞こうと思いこれを引っ張り出した。1969年録音のLP2枚『Soul Talk』『Black Feeling!』をカップリングしたもの。再発CDのジャケデザインもいかがなものかとは思いますが、オリジナルはもっと暑苦しいです。

とりあえずバーナード・パーディがダチーチーチーとドラムを叩いているだけで個人的には幸せいっぱいなのだが、他の皆さんもけなげに頑張っている。ジミー・ルイスのエレキベースがうねりまくる後半6曲(『Black Feeling!』に相当)のほうが個人的には好みだが、ハモンド・スミスのオルガン・プレイは音色も含めて前半のほうが冴えているような気がしないでもない。まあ、一応リーダーとは言えハモンド・スミス自体は割にどうでもいいと言えばどうでもいいのですが。

サックスのラスティ・ブライアントはいつものようにテナーとアルトの二刀流でビシビシと吹いていて最高なのだが、ここではさらに飛び道具のヴァリトーン(電気サックス)まで繰り出して暑苦しさに拍車をかけている。実のところヴァリトーンてどんなものだか今まで知らなかったのだが、こんなものらしい。仕組みはともかく、この手の音楽でダブついたような浮ついたような妙に暑苦しい音が聞こえたらこれを使っていると見て間違いないのである。技術的イノベーションがまったく表現内容の向上に役立っていない好例と言えよう。


2008-08-14 [長年日記]

_ [Music] Shirley Scott & The Soul Saxes

シャーリー・スコット&ザ・ソウル・サックシズ(紙ジャケット仕様)(シャーリー・スコット&ザ・ソウル・サックシズ)

シャーリー・スコットというと淡白でさわやかなオルガンというイメージしか無いが(結局のところピアニストが本業だし)、ここではソウルなサックスの皆さんとしてキング・カーティス、デヴィッド・ファットヘッド・ニューマン、ハンク・クロフォードという重量級3人を迎え、大変に濃厚で暑苦しい音楽を展開している。

このアルバムで良いのはジャケットと演奏と選曲と編曲で、まあ言い換えれば全部良いということなのだが、特に際立って良いのは当時モンゴ・サンタマリアのアレンジャーを務めていたマーティ・シェラーの編曲だ。ビートルズ曲や『スタンド・バイ・ミー』のカバーなど、なまじ原曲が有名なだけに、下手なアレンジではすぐ古びてしまって現在では聞くに耐えないということもままあるのだが、全曲当時のヒット曲のカバーであるにも関わらず今聞いても全く捨て曲がないというのはある意味驚異的とも言える。分厚いホーンズのリフも最高だが、ギターにエリック・ゲイル、ピアノにリチャード・ティー、ベースにチャック・レイニーあるいはジェリー・ジェモット、そしてドラムスにはバーナード・パーディ(とジミー・ジョンソンとかいう知らない人が数曲)という、この時期最強のリズムセクションも相変わらず冴えている。

で、じゃあリーダーのシャーリー・スコットのオルガンはどうなの、ということになるのだが、まあ、彼女にしては頑張ってるんじゃないでしょうか…。


2008-08-15 [長年日記]

_ [Music] Living Soul & On Basie's Bandstand / Richard Groove Holmes

リヴィング・ソウル(リチャード・グルーヴ・ホームズ/ジーン・エドワーズ/ジョージ・ランドール)

On Basie's Bandstand(Richard "Groove" Holmes)

そもそも曲調からして可憐で爽やかな『イパネマの娘』や『虹の彼方に』を、どう演奏すれば原曲の味を保ったまま暑苦しくできるか、これは困難な課題だが、それに見事な解を出してみせたのがここでのリチャード・グルーヴ・ホームズだ。まあ、オルガンで弾けばよほどひねらない限り何でも暑苦しくはなるわけですが…。

1966年、今でいうとニューヨーク市立大があるあたりにあった「カウント・ベイシーズ」でのライヴ。この人のアルバム名には何とかソウルとかソウル何とかというパターンが多いのだが(最初にヒットしたアルバムがSoul Message(Richard "Groove" Holmes)だったからだと思う)、ライヴ盤だからリヴィング・ソウルという、大変安直なタイトル付けがまず素晴らしい。サイドメンも手堅い演奏で申し分ない。異様に盛り上がって手拍子だの奇声だのを飛ばす観客の反応も暑苦しさに拍車をかけている。

このCDには5曲収録されているが、この日は全部で19曲収録したらしい。残りの一部は数年前、On Basie's Bandstand(Richard "Groove" Holmes)として日の目を見た。こういうジャケットを見て購買意欲がそそられるかどうか、そこであなたの人間力が試されるのである。