My Human Gets Me Blues

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2007-01-24 [長年日記]

_ [Movie] 菅井君と家族石 The Perfect / 蛙男商会

菅井君と家族石 The Perfect [DVD]

mrmt先生に蛙男商会の存在を教えて頂き、あまりのことに悶絶したのも遠い昔。あれよあれよと言う間に(やや)メジャーになってしまった。おもしろいものが一般にもウケるのは喜ばしい。Rubyと並んで島根が誇るプロダクトだと思う。とか書くとMatzさんに殴られそうだが。

ザ・フロッグマンショー:古墳ギャルのコフィー 第1巻 [DVD]ザ・フロッグマンショー:秘密結社鷹の爪 第1巻 [DVD](TVアニメ)といった近作はまだ見ていないのだが(mrmt先生によるとまあまあらしい)、やはりこの日記をお読みの皆さんは最初に菅井君を見るべきである。ブラック・ミュージックが好きな人はパンピーの1.5倍くらいは楽しめる。何といっても兄ちゃんの空気読めなさがいかにもコルトレーンという感じでもう最高だ。他のキャラも、なぜ彼らにその顔が与えられているのかをじっくり考えてみると味わい深い。まあそこまで考えて作ってないと思うけど。

_ [Rant] オリコン vs. 烏賀陽訴訟について

すでに論点は出尽くしている感もあるが、自分の頭の整理を兼ねて少し書いてみよう。大体は「オリコン個人提訴事件を憂慮し、烏賀陽弘道氏を支援するカンパ活動」の趣旨と同じで、だからこそ彼らの動きを支持するんだけれども。

私にとって今回の訴訟で重要な点は、オリコンいきなり烏賀陽さんを訴えたという一点に尽きる。賠償請求が高額だとか、オリコンや烏賀陽さんの主張の真偽などは、正直に言えばどうでも良い。訴訟に持ち込む前にオリコンが烏賀陽さんと接触(あるいは自社の言い分をメディアに発表)し、議論した上で訂正や謝罪を求めていた(そしてそれを烏賀陽さんが蹴った)ならば、私はオリコン支持に回っていたと思う。

とは言え、誰かを訴えるのは原告の権利であり自由である。よって、オリコンが訴訟に持ち込んだこと自体は、本来責めることはできない。だからここからは要望に近いのだが、私としては、企業にしろ個人にしろ、意見の不一致は法廷では無く言論の場で解決することをまず第一に志向してほしいと思う。訴訟はあくまで最後の手段ということだ。

私は往々にして間違ったことを書く。もちろん正しいことも書く(というか、書いた時点ではすべて正しいと思っている)。私も名は惜しいのでそれなりに調べたり考えたりはするが、それでも間違えることはあるということだ。ものを書くというのは、本質的にリスキーな行為なのである。もしかすると私が書いたことで、他人に甚大な迷惑をかけることがあるかもしれない。そうした場合、直接指摘してくれればよろこんで反論なり訂正なりするし、謝罪するのもやぶさかではない(そもそもすべて実名で書いているから逃げ場がない)。しかし、問答無用でいきなり訴えられるというのは承伏できない。反論は法廷で行えば良いという意見もあろうが、私を含めた一般人にとって、訴訟を抱えることは金銭的のみならず極めて社会的にコストの高い状況である。それが分かっていて何か大胆なことを書く人間はいない。つまり、今回のオリコンのような行動が「慣行」として根付いてしまったら、自由活発な言論を萎縮させること極めて甚だしいと思うのだ。もちろん、これは何を書かれても泣き寝入りしろということとは違う。それなりの手順を踏んでくれということだ。

ブログのようなインターネット上での言論活動もそうだが、オープンソースのバザール型開発モデルにしても自由な言論の保証が前提としてある。およそイノベーションの前提は言論の自由なのだ。そして、言論の自由は、お題目ではなく実質的なものでなければならない。それが失われることは、社会全体にとっても決して好ましいことではないと私は思う。

その意味で、今のところ事態の推移は私たちにとっては好ましい方向に動いているとも思う。明らかにオリコンは、烏賀陽さんを訴えたことで単に訂正や謝罪を求めた場合よりもはるかに甚大なダメージを被っているからだ。これを見た他の企業が、オリコンの轍を踏まないことを望みたい。またオリコンにしても、今からでも遅くない。訴訟を取り下げ、改めて言論の場で烏賀陽さんと対決すべきだ。とりあえず相手に匕首を突き付けてから交渉するというのは、議論ではない。脅迫である。そもそもこのまま行って、訴訟に勝とうが負けようが彼らが得るものは無いと思うのだが如何。

本日のツッコミ(全3件) [ツッコミを入れる]
_ 小倉秀夫 (2007-02-09 13:37)

「いきなり」ではないと思います。<br>http://www.oricon.co.jp/news/confidence/40565/

_ mhatta (2007-02-09 16:18)

小倉さん、「いきなりではない」と判断された根拠はおそらくリンク先の「弊社が烏賀陽氏に宛てた内容証明郵便に対する回答FAXの中で、烏賀陽氏は、ご自身でコメントの内容を修正・編集された旨を述べております」というくだりではないかと思いますが、素直に読めば、この手紙は烏賀陽氏が本当にそのようなコメントを述べたのかどうか(サイゾー編集部の捏造ではないか)を確認しただけのように見えます。<br><br>このやりとりだけで訴えるのは、私の基準では「いきなり」です。訴える前に穏当な手段で謝罪と訂正を求めるべき(そこで決裂した後訴えるのは自由)、というのが、このエントリの趣旨になります。まあ、ものすごく勘が良ければ、内容証明だし、オリコンが自分を訴えようとしていると気づく人もいるのかもしれませんが、少なくとも私には無理ですね。何か悪し様に罵るとかならともかく、あの程度の内容でオリコンがそこまで気にしているなんて夢にも思いませんし。<br><br>もちろん、もしオリコンが「実は烏賀陽氏には抗議し、十分話し合った、でも頑強に謝罪・訂正を拒否したから仕方無く訴えた」と証明してくれれば、私はよろこんでオリコンを支持します。訴訟を起こしたことそのものに関してはね。

_ midnight surfer (2007-02-10 11:52)

言論封じの前例として武富士=サラ金がある。<br>彼らが何故存在しているのかは、つきつめれば悪政<br>が原因で背後の銀行が金儲けをしているから、<br>生命保険をかけさせて、金を貸すことの異常さを<br>誰もがしっている。でも悲しいかな、、、<br> 今回、それと同じ手法を使った、オリコンとは<br>何なのか?不思議でならない。 売上調査は<br>単純な社会統計調査とは違うかもしれないが、<br>その信憑性をとやかく言う人は、統計学が<br>何かを知らない人だろう。<br>そんな、クソみたいな議論を、サラ金と同じように<br>振舞う会社が異常。<br>一番の被害者は社員。 株主よ、社長を訴えないと、<br>ライブドアのようになるぞ!!! あなたたちの<br>株券ではケツの穴も拭けないぞ。