My Human Gets Me Blues

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2005-07-06 [長年日記]

_ [Music] Allen Houser and Washington Jazz Ensemble

トランペッター、アレン・ハウザー (Allen Houser, 1941-)がリーダー格のワシントン・ジャズ・アンサンブルを久しぶりに聞き直したらえらく良かったので、何か書こうと思った。この人に関しては、インターネットで検索してもほとんど情報が出てこない。レコーディングデビューとなったノー・サンバに所収の杉田宏樹氏のライナーによれば、ハウザーは1941年ワシントンD.C.の生まれ、昔も今も生地にずっと留まって活動を続けているようである。他人の(メジャーレーベルから出るような)アルバムに客演した、ということもどうやらなさそうで、以下に挙げる6枚の自主制作アルバムが、今までに出た作品の全てのようだ。

  • No Samba (Straight Ahead ARS001) 1973

  • Washington Jazz Ensemble (Straight Ahead ARS002) 1976 (発表は1978)

  • Whatever Happend To Allen Houser (Straight Ahead ARS003) 1990 未聴

  • Looking Back (Straight Ahead ARS004) 1970-86 (発表は1994)

  • The Allen Houser Sextet Live at the One Step Down (Straight Ahead ARS005) 1985 (発表は2001)

  • Stolen Moments (Straight Ahead ARS006) 2004 未聴

最初の二枚はボンバ・レコードから日本版CDが出ている。3作目は見たこともない。誰かお持ちなら貸してやってください。4作目は、彼が個人的に録音していた音源を寄せ集めたもので、一部音質は良くないが貴重。5作目も内容的にはそんなに悪くないが、これもいかんせん録音が悪く全体に音が痩せているのが残念。で、今調べてみて分かったがなんと去年新作が出ていたのですね。このへんで試聴してみたが、相変わらず直球ハードバップをやっているようだ。

この人は、自分で書いた英文ライナーとかを読むと分かるのだがとにかくライヴ命の人であって、おそらくそのあたりがまともなレコード会社と契約しないというポリシー(?)にもつながってくるのだろう。基本線はハードバップだが、姿勢は多少前向きで、という気概も見えて好ましい。作曲の才もそれなりにある(例えば2作目の冒頭、ギル・エヴァンスやルー・リードの作品に参加したことのあるサックス奏者、トレバー・ケーラーに捧げた1曲目は名曲)。あと何より魅力なのが、多少線は細いけれど勢いが良くかすかな翳りも感じられるトランペットの音色だ。技術的には超一流というわけではないと思うが、ドゥシュコ(ダスコ)・ゴイコビッチあたりが好きな人ははまると思う。