My Human Gets Me Blues

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2003-12-01

_ [Sun Ra] Pleiades は入手不可

先日、1990年10月28日ロンドン録音のLive at the Hackney Empireを取り上げたが、その前日27日に19人編成の交響楽団を従えてフランスで録音したPleiadesという作品がある。ここ1年ほど探し回っていたのだが万策尽きて、しかたなくLeo Feigin当人に問い合わせてみたところ、クラシックオケ側との契約が切れたからカタログから削除したとの返事が。ううむ。オークションで地道に探すしかないか...。

どなたかどこかでうっかり見付けた方、それなりに高く買い取りますのでご連絡ください。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

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2006-12-01

_ [Music] Cat 'n' Mouse / John Abercrombie

Cat 'n' Mouse(John Abercrombie)

先日取り上げたボビー・ハッチャーソンのアルバムにも参加していたギタリスト、ジョン・アバークロンビーの近作。といっても、出たのは2002年だからもう4年も前になるのか。ギタートリオ、プラス、マーク・フェルドマンのヴァイオリンという若干変則的なカルテット編成だが、ベースがマーク・ジョンソン、ドラムスがジョーイ・バロンと現在これ以上は望むべくもない人たちなので、出来は保証されたようなものだ。

このアルバムの良いところを言葉で説明するのはとても難しい。「聞いて気持ちが良い音」というのが一番適切な形容のようにも思う。それでも無理に説明を試みると、少なくとも「曲が良い」とは言えると思う。すべてアバークロンビーが書いたようだが(5曲めと8曲めはフリー・インプロ)、印象的なメロディを持つ一方でどれも趣向にひとひねりある。曲によっては結構踏み込んで無茶をする局面もあるのだが、全体としてはあくまで抑制が利いている。クールに狂っているという感じ。ジョーイ・バロンが良いのはいつものことだが、フェルドマンのヴァイオリンが実にかっこいい。ジャズ・ヴァイオリンを良いと思ったことはあまりないのだが…。

あまり話題にならないが、個人的には2000年以降に出たジャズのCDの中では一、二を争う傑作ではないかと思っている。プログレやピアソラが好きな人にもウケるんじゃないでしょうか。

本日のツッコミ(全5件) [ツッコミを入れる]

Before...

_ ますこ [久しぶりに聴きましたが、コイツはいいですね。次作の"Class Trip"より断然いい。一、二を争うとは思わないけど..]

_ ますこ [というか、このくらいのクオリティの作品は、70〜80年代のECMにはウジャウジャあったような気が。なんだかなぁ。]

_ mhatta [今はもう2000年代ですから。]


2008-12-01

_ [Jazz] Things That I Used To Do / Joe Turner

Things That I Used to Do(Big Joe Turner)

個人的事情で図体のでかい人には何となく親近感があるのだが、ビッグ・ジョー・ターナーは図体もでかかったが音楽家としても器量のでかい人だった。

歌手としての技量という点ではいろいろ限界もあったはずで(大体どの曲も同じキーで歌っている)、そもそも楽譜が読めたかどうかすら怪しいものだが、シャウターの名にふさわしい馬鹿でかい声量とここぞというところにシャウトが決まるタイミングの良さ、どんなセッティングでも何となく自分の色の染め上げてしまう個性、加えてマディ・ウォーターズらと同質の揺るぎなき威厳とそこはかとなく漂うユーモア、といったターナーならではの美質が補って余りある。特に驚かされるのはその柔軟性で、元は戦前から活躍するブルーズ屋さんなのに戦後から1950年代にかけてもR&Bや初期のロック・チャートでヒットを連発、結果として、ブルーズやジャズのみならず、ロックンロールの創始者の一人という称号をも手に入れることにもなった。

チャートゲッターという意味では1950年代末くらいにほぼ終わっていたターナーだが、1970年代に入るとノーマン・グランツが興したパブロ・レーベルに入って(記憶が確かならば実はターナーが専属アーティスト第一号だったはず)主にジャズ系の人々を従えた録音を大量に残すことになる。どれもこれもいかにもパブロ(というかグランツ)の仕事らしい、プロデュースという概念がほとんど存在しないようなジャムセッションもので、参加した顔ぶれも超一流から聞いたこともないような人まで種々雑多、結果として出来も玉石混淆という何とも曰く言い難いものだが、私はどれも好きで良く聞いている。ターナーはいかにも大物という感じで、とりあえずひとくさり歌ったら俺はお役御免、後は他の奴に好きに吹かせてやろうとでーんと構えている(たぶん手を腰に付けてひょこひょこ動かしながら)という風情が好ましい。別にターナーに限らず、昔のミュージシャンは個性が強いというか味が濃いので、こういう作り方をしてもちゃんと音楽として成立しうるのですね。もちろんうまくいかないケースもあるけれど…。

今回取り上げたのもそうしたパブロのターナー・ジャムの一枚で、小粒とは言えそこそこ豪華なメンツを集めて、レパートリーもギター・スリムのあれやビリー・エクスタインのあれを含み、音楽的にもうまく行っているほうだと思う。トランペットのブルー・ミッチェルの存在が特によく利いているが、何せテナーにワイルド・ビル・ムーア(マーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイン・オン』で印象的なサックスを吹いていたベテラン・ホンカー)、アルトにエディ・クリーンヘッド・ヴィンスン、ピアノに西海岸R&Bの大ベテランであるロイド・グレン、オルガンになぜかギルド・マホネス(!)というなかなかの陣容である。だが、たぶんこのセッション成功の本当の功労者は、セロニアス・モンクのベーシストとして有名なラリー・ゲイルズと、ハービー・マンのバンドにいたドラムス、ブルーノ・カーの二人だろう。この二人ががっちり音楽を下支えしているので、上でおっさんたちが好き放題に歌って弾いて吹き倒してもぐだぐだにならず何とかなるのですね。どこまで事前にアレンジしたのか知らないが、随所に入るリフがバシッと決まっていて、まるでターナーが小型ビッグバンドを従えて歌っているかのような感じですらある。個人的にはどうせヴィンスンを呼んできたならターナーと一曲くらいデュエットで歌わせれば良かったのにと思うのだが、それは無い物ねだりということですか。