My Human Gets Me Blues

Syndicate RSS Syndicate LIRS

2003|02|03|05|06|08|09|10|11|12|
2004|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2005|01|02|05|06|07|09|10|11|12|
2006|02|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2007|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2008|01|02|03|04|05|06|07|08|09|10|11|12|
2009|01|02|03|04|05|06|08|09|10|
2010|05|06|
2011|04|05|09|10|12|
2012|01|10|12|
2015|08|

2003-12-25

_ [Life] クリスマスプレゼント

菊地成孔氏によると、1986年ごろは、クリスマスというと平均的な大学生は彼女のために約30万円を費していたそうである。まじっすか。どうやら私は生まれて来る時代を間違えたらしい。

ちなみに、アメリカから先日帰国した親父がCLIE PEG-NZ90とかいうナウいガジェットを持って帰って来たので強奪したのだが、なにせ電池が持たないので参る。これじゃ何もできないよ。

本日のツッコミ(全2件) [ツッコミを入れる]

_ mrmt [いやー1万円ぐらいだと思うけど]

_ minata2 [clieの使い道ですが、新聞社が運営するサイトのコンテンツを転送しておいて、電車内などでじっくり閲覧するのはいかがで..]


2004-12-25

_ [tDiary] Anti Referer Spamプラグイン導入

最近のリファラスパムの横行は目に余るものがあるので、T. ShimomuraさんのAnti Referer Spamプラグインを入れてみた。さてどうなることやら。


2006-12-25

_ [Music] The Gospel Soul of Houston Person

ゴスペル・ソウル(ヒューストン・パーソン)

去年も一昨年も同じようなことを書いていたような気がするが、世間はやれクリスマスイヴだクリスマスだと騒いでいても、私にはそんなものは無いのである。ヴァン・モリスンではないが、I've been workin', I've been workin' so hardなのである。結局こんな時間までせっせと講義資料を作っていたりするわけですよ。しかも終わりゃしねえ。

それはそれとして、BGMくらいは何かクリスマスらしいものにしようと思い、これを引っ張りだした。気っ風の良い吹きっぷりで知られるテナーサックスのヒューストン・パースンが、聖歌隊だのオルガンだのを従えて大いにゴスペルをかましまくった一枚である。まず原盤がサヴォイというのがいいやね。パーカーのせいでジャズ者にとってはビバップのレーベルという印象が強いサヴォイですが、元はと言えばあそこはゴスペルの老舗だったのだ。そして、例によってサックスを吹くというよりはサックスで歌うというのがふさわしい、パースンならではのエモーショナルな節回しがそこかしこで炸裂している。漢だな。

正直私はあんまり宗教心のある人間ではないのだが、宗教音楽は結構好きだ。むかしアメリカの片田舎に住んでいたころは、ケーブルテレビにどう見ても正統的じゃないキリスト教(のようなもの)専門のチャンネルがあって、一日じゅう説教とゴスペルを流していたものだ。そうかああやれば人間て煽れるんだなとかろくでもないことばかり学びました。

まあ、いくら廃盤だからと言って1万円とか大枚はたいて買うようなものではないと思いますが、中古屋で安値で見付けたらお試しあれ。


2008-12-25

_ [Music] Christmas Gumbo / Various Artists

Christmas Gumbo(Various Artists)

「ガンボ」というタイトルから何となく察しがつくように、ニューオリンズというかルイジアナのミュージシャンを集めて作ったクリスマス・アルバム。どういう経緯で作られたのかよく知らないのだが(何らかのベネフィット?)、ウェブサイトもある。

私はこのアルバムが好きで、ここ数年、この季節になるとよく聞いている。サニー・ランドレスやアラン・トゥーサン、アート&アーロン・ネヴィル、アーマ・トーマスといった大物もいるが(ジャズ方面からだと、美形トランペッターで一時期チェット・ベイカーの再来と騒がれたジェレミー・ダヴェンポートがなぜか入っている)、あまり知名度が高いとは言えない人の演奏も結構収録されている。しかもいわゆる定番クリスマス・ソングは一曲も入っておらず、すべてオリジナル曲ばかりなのだが、捨て曲がなくどれも良い曲ばかりなのが驚き。ストレートなロックからジャズ、フォーク、R&B、ゴスペル、ザディコといった様々な音楽スタイルをケイジャン風に煮込んだ、旨味あるごった煮音楽が楽しめる。パーティ・ミュージックにも最適だ。故クラレンス・ゲイトマウス・ブラウンは自分の音楽を「アメリカンミュージック、テキサススタイル」と標榜していたが、これなんかは「アメリカンミュージック、ルイジアナスタイル」ですね。


2011-12-25

_ [Jazz] アイク・デイの伝説

Young Jug(Gene Ammons)

今年のクリスマスは、ジーン・アモンズのこのアルバムを聴きながら過ごした。冒頭がSwingin' for Xmasという曲で、もろびとこぞりてやらジングルベルやらをごちゃ混ぜにして豪快に吹きまくっているのが楽しい。後年の、特に「出所」後は、なんというか、任侠の親分的大貫禄を身につけたアモンズだが、すでに若い頃からドスの効いたブロウをかましていて恐れ入るばかりだ。

とはいえ、今日の本題はアモンズではなく、ドラマーのアイク・デイである。例えばピアニストのサディク・ハキムは、『チャーリー・パーカーの伝説』でこう語っている。

ニューヨークにくる以前には、私はシカゴでジェシー・ミラー、それに、ずいぶん若くて死んでしまったアイク・デイというすばらしいドラマーと共に仕事をしていた。このドラマーについては、そのうちマックス・ローチやアート・ブレイキーにきいてみるといい――影響をうけているはずだと私は思うのだ。(p. 157)

ローチやブレイキーがデイについて言及したのは寡聞にして知らないが(ローチがケニー・ドーハムらと一緒にデイの演奏を見ている写真は残っているらしい)、ロイ・ヘインズはどこかで、自分が目にした中で最も優れたドラマーはデイだと語っていた。バディ・リッチも、ジョニー・カースンに史上最高のドラマーは誰かと聞かれ、即座に「アイク・デイ」と答えたそうだ。「世界最高のドラマー」がキャッチフレーズの男にそう言わせるというのは、尋常な力量ではない。

デイの生涯に関してははっきり言ってよく分からないのだが、どうやら1927年の生まれのようである。幼いころから才能を発揮し、16歳からすでにプロとして活動していたようだが、このころからもうヘロイン中毒になっていたと思しい。見事に往年のジャズ的な滅茶苦茶な生活を送ったあげく(そもそもスネア以外ドラム・セットを持っていなかったという)、50年にはボロボロになって半引退状態となり、55年くらいに結核で亡くなった、というのがどうやら最も信憑性のある話で、それ以上のことは今となってはもう分からない。その演奏にしても、ローチやエルヴィン・ジョーンズに先行してポリリズムを駆使した高度なプレイをしていた、という人もいれば、大して技術的には優れていないショウマンだったという人もいて、いよいよ真相は霧の中である。

ジャズの場合、始祖と謳われるバディ・ボールデンを始め、そもそも音源が残っていない「伝説のミュージシャン」が何人かいるわけだが、幸か不幸かデイは数曲の録音が残っている。その中で最も入手しやすいのが、このアモンズのアルバムに収録された二曲(It's The Talk Of The TownとStuffy)なのだった。

と言っても、正直これらの演奏からは、ヘインズやリッチ、あるいはローチやブレイキーといった超一流どころを脱帽させた実力は、ほとんど何もうかがい知ることができない。Stuffyでの即応力溢れるフィルの入れ方に、かろうじてその名残が感じられなくもない、いや気のせいかな、というくらいである。思えば名声などはかないものだが、それはそれとして、演奏自体は素晴らしい。