昔も今も算数は苦手なのだが、最近は趣味で数学をたしなんでいる。
となると紙に鉛筆ないしシャーペンで数式を書くわけだが(iPadにApple Pencilで、とか言う奴はお呼びでない。あとわたくしはフリクションが嫌いでして、まあフリクションボールノックゾーンはそれなりにいいけど)、慣れていないのでよく書き間違える。といっても間違えるのは指数の肩の数字とか積分の範囲とかが大半なので、ようするにさくっとちょっとだけ消したいわけです。
ちゃんとした消しゴムを持ち歩いても良いのだが案外かさばる。そもそもシャーペンはだいたいノックの部分に消しゴムがついているが、これは消しゴムではなく 噛んだあとのガムではないのか というくらいに消えないものが多いし、いちいちペンをひっくり返してキャップを外すのも面倒だ。
ということで、マルチペン、複合筆記具というと普通は黒プラス赤など多色ボールペンが多いが、色ペンではなくシャーペンと消しゴムがついていて回すと交互に出てくるみたいなのがあると便利じゃね?思いついたオレ超天才!さっそくMakuakeでクラウドファンディングを始めるか、などと興奮したのだけれど、そんな程度のアイディアは誰でも思いつくわけで、探すと昔からあった。
とりあえずMetaphysの(作っていたのは不易糊みたい)Locus 43010 3way Penというのが有名なんですかねえ。2008年グッド・デザイン賞受賞などと書いてあるからずいぶん古い製品である。私も買ってみたが、ボールペン、0.5mmシャーペン、直径2mmの消しゴムがボディを回すことで切り替えられ、ノックすると出てくるという機能的には申し分ないもので、消しゴムもそれなりに消える。シャーペン部分が0.7mmだったらもっと良かったのだが、手書きで計算する人にはおすすめできる。
ただ、もうディスコンというか在庫限りの流通のようだ。シャーペンはもとよりボールペンも4C芯だから替えはどうとでもなるのだけど、替え消しゴムがすでに終売らしいのが痛い。
どうしようかなと思っていたのだが、数年前(2022年?)にサンスター文具が似たようなコンセプトで(ただしボールペンはついていない)シャープ&イレーサーSHARMというのを出していて、ためしに買ってみたらこれの消しゴムがLocusと全く同じものだった。たぶん作っていた(韓国の?)工場も同じなのではなかろうか。見た目のクールさはLocusの圧勝だが、なにせ安い。
しかし、こちらも本体はまだ手に入るのだが、替え消しゴムは終売のようである。まあ本体を買えば消しゴムも一本手に入るのだが、消しゴムのためにまた新たに買うというのもマヌケな話のように思われる。
ところで細い精密消しゴムというとトンボのMONO zeroが有名だが、2.3mm径ということで、Locusやシャームには入らないんだろうなあと思っていたわけです。しかしダメ元でためしにモノゼロの替え消しゴムを買ってみたら、入ったのね。まあ0.3mmの差だから誤差の範囲みたいなものですが…。ただ、消しゴム自体の長さと、消しゴムの後ろについているプラスチックの棒みたいなものの太さが違うので、消しゴムを切った上でピンか何かで小さな穴を開けて、LocusやSHARMの消しゴムについているワイヤみたいなのを差し込むという工程が必要になる。そもそもこの棒に何の意味があるのか良く分からない(無くてもノックは出来る)のではあるが…。消しゴムを収納する筒に押し込んでも詰まらないようにするものなのかな?