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アウロラ・アスティル(とテッシー)が好き

black and silver fountain pen

イタリアの老舗アウロラは今でも万年筆を作っているが、個人的にはもう廃番になって久しいアスティルが好きだ。モダン・デザインというかバウハウスっぽいものが好みなので、どうしてもそういうことになる。

1970年に建築家・デザイナーのマルコ・ザヌーゾがデザインしたものだが、50年以上前のデザインとは思えないミニマルで現代的なたたずまいに驚かされる。それでいて尻にキャップを安定して差せるようゴムがわざわざ付けられていたり、実用品としての機能にも抜かりがない。往時は相当数が出たと見えて、今でも中古なら結構な数が出回っているので入手は容易なはずだ。なんだかんだでいろいろなバリエーションがあるようだが、エコ・スティールと称するステンレス軸が一番しっくりくる。ニューヨーク近代美術館(MoMA)のパーマネント・コレクションにも入っているとか。

これだけ細軸だとアウロラの普通のコンバーターは入らないので(カートリッジは使えるが)、とうの昔に廃番になった専用コンバーターしか使えないと思われているふしもあるが、実はパーカーのスライド式コンバーターが入る。こちらは現行品なので今も手に入るし、このおかげで好きなボトル・インクが使えるのである。

同じザヌーゾのデザイン(こちらのほうが後)のボールペン、テッシーも一応持っているが、日常遣いで割とよく使っているアスティルに比べると、一昔前の(ようするにジェットストリーム革命以前の)ボールペンの粘っこい書き味がどうにも耐えられないので、完全に見た目重視というかあまり書き物には使っていない。とはいえ一応今でもアウロラ純正のリフィル(本来はA2あるいはA3という規格らしい)はあり、シュミットからもS700という替え芯がまだ出ているので、ぎりぎり実用品の域に踏みとどまっている。ただ、シュミットのは先っぽがなぜか金色なので全体が銀色のテッシーとは今ひとつ調和しないのよね…。

この平べったいカッターナイフみたいなデザインは手帳に挟むことを想定したものらしいが、ザヌーソの同僚でアスティルのデザインにも関わり後年IBMのThinkpadのデザインを手がけたリヒャルト・ザッパーがLAMYからDialog 1として似たようなもの(ただし軸が板状ではなく断面が三角形)を出している。以前モンテグラッパも似たデザインの変なペン(なぜかスタンプが付いていた)を出していたので、何か共通の元ネタがあるのかもしれない。

この2本を持ち歩くためには、先日取り上げたLim Pen Sleeveと同じRethinkのOtemotoを使っている。あつらえたようにぴったり。

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