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ウィリアム・ギブスンも太鼓判のダイソー・ミリウォッチ

何年かに一度誰かが気が付く(そしてすぐ忘れ去られる)というネタのようだが、今回は私の番らしい。

久しぶりに近所のダイソーへ買い物に行ったら、変な腕時計が売られていた。昔は100円均一の代名詞だったダイソーも最近は100円ではやっていけなくなったらしく、300円とか500円の商品も多いのだが、これは500円。商品の入れ替わりが激しいダイソーだが、ネットで検索してみるとずいぶん昔から絶えず売られているものらしい。人気があるんでしょうか。

これ、時計が好きな人間を釣るという点でよく出来ているというか、ようするに昔の米軍の支給品(「ミリ」はミリタリーのミリに違いない)、あるいはTIMEXのCamper のパクリ にインスパイヤされたデザインですよね。TIMEX自体別に高級腕時計というわけではないが、このぱちもんも値段の割にはよく出来ていると思う。防水でこそないが、NATOタイプのバンドも含めてまあまあな出来である。

さっそく身につけてみた。

それはさておき、サイバーパンクSFの巨匠ウィリアム・ギブスンが5年も前(の今日)にこの時計に言及していたことを知ったのである。

2003年の小説「パターン・レコグニション」の主人公、ケイス・ポラードにふさわしい腕時計だ、とギブスン御大が太鼓判を押しているわけだが、どうも勘違いしている人もいるようで、実際に小説中でケイスがこのミリウォッチを身につけているわけではない。ケイスはファッションの流行予測が仕事のくせにファッション・ブランドにアレルギーがあって身の回りのものからブランドロゴ等を削り取っているという設定だが、

「まだ踵の運動をつづけながら、ケイスは腕時計を見る。旧型カシオGショックの韓国製コピーだが、プラスチック側に刻まれたロゴは、日本製のミクロ研磨剤で削りとってある。」(浅倉久志訳、p.15)

ということで、ケイスは終盤までまがいもののカシオG-SHOCKを着けていたようである。ただG-SHOCKは風防内にCASIOとかG-SHOCKとか書いてあることが多いので、どうせなら徹底してアノニマスなミリウォッチのほうがふさわしいとは言えるでしょうね。映画化の企画はとうの昔にポシャったようだが、Netflixか何かでドラマ化するなら小道具としてミリウォッチを使わないかしら。

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