コクヨ K2 マッハボール

コクヨ なめらか ボールペン K2 マッハボール ノック式 10本入 黒 K2PR-NB207DX10

別にコクヨから金をもらっているわけではないので褒める義理はないのだけれど、最近はなぜかコクヨの文具製品に感心させられることが多い。近頃よく使っているこのボールペンも、よくよく見たらコクヨの製品だった。どこで買ったかすらよく覚えていないのだが…たぶん世界堂?

調べてみると一本税込約75円というウルトラ安物で、基本的には業務用らしいのだが(そのせいかAmazon.co.jpでは10本単位でしか売っていない。といっても755円だけど…)、実に良い書き心地である。低粘度油性ボールペンというと三菱鉛筆のジェットストリーム、パイロットのアクロインキ、ぺんてるのビクーニャが御三家だと思うが、コクヨもマッハインクというのをやっていたのですね。全く知りませんでした。どこかのOEMなんだろうか?ネットを検索してもまるで情報が出てこないのだが、私以外にもこれに感銘を受けた人のブログが出てくるので、まあみんな使うと感心するんでしょう。ほとんど使い捨てのような値段にも関わらずちゃんと替芯も用意されていて、いよいよ感心させられる。

そしてデザインが優れている。まあ値段が値段なので高級感は全く無いわけですが、頭から尻尾まで流れるようなフォルムになっていて、素材ではなく造形一本で勝負というすがすがしさがある。パイロットのジュースアップとかのどんくさい感じと比べると一日の長があると思うのですがいかがでしょう。

 

Parafernalia FALTER 2D

(パラフェルナリア) PARAFERNALIA パラフェルナーリア FALTER 2D ボールペン

イタリアの文具メーカー、パラフェルナリア(Parafernalia)が好きだ。一昨年、ベルリンのバウハウス・アーカイヴを訪れたのだが、ミュージアム・ショップで売られていた文具は、ご当地ドイツのLAMY、このイタリアのパラフェルナリア、そして日本のトンボ・デザイン・コレクションだけだった。昔ながらの日独伊枢軸という訳ですが、実際デザインという見地からすれば、美術館で売るならこの3ブランドでしょうね。LAMYと同様、社外のデザイナーと共同で製品開発しているようだが、それでもLAMYとTOMBOWは大手だからか、実用性に一定の配慮をしてしまいがちなのに対し、パラフェルナリアは完全にデザインだけに振り切っていて、はっきり言って使い勝手は悪い。それもまあ、ブランドの個性ということでしょう。日本だと、実店舗で扱っているところはほぼ無いと思うが、ネット通販ならそれなりに手に入る。

【PARAFERNALIA パラフェルナリア】 Revolution シャープペン オレンジ

1968年に設立されたパラフェルナリアの製品で一番有名なのは、1978年に発表された異様な構造を持つペンのRevolutionだと思うが、自分で一枚板から組み立てろというこのFALTER 2Dも相当頭がおかしい。見た目の優美さは素晴らしく、クリップとノック機構(のようなもの)もあり、スタンドとなぜか定規まで付いてくるという大変なお買い得品なのだが、単純な割になかなか組み立ては難物で、しかも書くといろいろなところが指に当たって痛い。でも、やるんだよ。リフィルはパーカータイプなので、最近出たジェットストリームを使えば、書き味だけは良くなります…。

組み立て方の動画。いや、たぶんこんなにスムーズに行かないよ…。

 

ジェットストリームのパーカータイプ替芯が出た

三菱鉛筆 ボールペン替芯 ジェットストリームプライム 0.7 単色用 黒 SXR60007.24

ジェットストリームのパーカータイプ替芯が出たというので、大喜びして買った。

三菱鉛筆が開発した低粘度油性ボールペンであるジェットストリームについては以前も少し書いたことがあるが、割と最近まで独自規格といいますか、三菱のボールペンでしか使えない替芯しか販売されていなかった。それが2013年にいわゆる4C芯(多色ペンなどで使われる短くて細いやつ)のバージョンが出て、今回はパーカータイプが出たということになる。パーカータイプというのは元々パーカー社のボールペンの替え芯の規格だったことから普及した俗称で、今ではISO 12757で標準化されている。そこでの規格記号から、G2替芯と呼ばれることも多い。で、この芯ならば別にパーカーに限らず様々なメーカーの高級ボールペンで使えるのである。

油性ボールペンは不思議な世界で、つい最近まで値段が高いほうが書き味が悪いという奇妙なことになっていた。それは日本ではジェットストリームの登場以来、書き味に優れたいわゆる新油性ボールペンが低価格帯を中心に普及したのに対し、高級ボールペンの主な産地である海外では、相変わらず粘度の高い、書き出しでかすれるような書き味の悪いインクのままだったからで、それでも最近ではパーカーのクインクフローやシュミット(日本だと銀座伊東屋がROMEOブランドで出している)のイージーフローなど、低粘度インクに切り替えてそれなりになめらかな書き味を目指したものが出ていたのだが、書き味は別としても海外のボールペン芯は大体においてF(細字)ですらやたら字幅が太く、漢字文化圏で細い線が書きたい日本では今ひとつという感じだったのである。あと、海外の替芯は経験上当たり外れが結構あって(ボールがきしむ、インクが出ない、あるいはやたら出過ぎる、等々)、たかが替芯とは言えそれなりの値段がする工業製品のくせにクオリティが案外一定しないのだった。

数年前には、4C芯を装着してパーカータイプに偽装するというリフィルアダプターUNUSという会社から発売され、かなり話題となった。これもなかなか良かったのだが、4C芯の軸の太さはパーカータイプ替芯の先端部の太さと必ずしも一致していない(パーカータイプの先端部は約2.4mm、4Cは約2.35mmで、4Cのほうが微妙に細い)ので、ペン先の穴にぴったりと嵌まらないことが多かったのである。せいぜい0.05mmのレベルの違いだから通常ならどうでもいいのだが、ボールペンの場合穴と芯が合わないと、書いているときに芯が揺れたり、カチャカチャ音が鳴ったりする。これが結構気になるのですね。

というわけで、今回ちゃんとメーカーからパーカータイプの替芯が出たのは大変喜ばしい。まだ一本使い切っていないが(4Cと違いパーカータイプはかなり大容量なので当分使い切ることは無いと思うが)、0.5mmの細字であってもかすれることなくなめらかに筆記できて快適だ。ボールペンのインクというのもなかなか繊細なもので、キャップ式、ノック式、あるいは4Cやパーカータイプなど芯の形状に合わせて相当調整しないと書き味が変わってしまうらしいのだが、さすがにうまく仕上げてきている。三菱鉛筆はこれで軸のデザインがマシなら何も言うことはないのだが、無いものねだりなんですかねえ。

 

Sherpa Pen Coversがいつの間にか復活していた

SherpaペンケースとRefills Sherpa Pen

Sherpa Pen Coversのウェブサイトが、いつの間にか再開されていることに気づいた。昨年親会社だか代理店だかだったParadise Pen Companyが倒産して、それっきりSherpaのサイトにもつながらなくなっていたのだが、どうやら独立して(URLも変わった)復活したらしい。

Sherpa Pen Coverはその名の通り、ペンのカバーである。プラスチック製で安っぽい外観のものが多いボールペン等にかぶせて若干高級に見せかけるという、はっきり言って貧乏くさい製品なのだが、デザインも豊富だし、細くて軽い軸が多いマーカーペンや安ボールペンに、太くてそれなりに重量のある軸のこれをかぶせると書き味がだいぶ変わるので、全く無意味というわけでもない。日本でも昨年ぺんてると銀座伊東屋が組んで、サインペンやプラマン、ボールPentelにかぶせるペンジャケットというのを売り出していたが、発想としては同じというか、多分にSherpaのパクリであろう。

伊東屋 ITOYA110 ペンジャケットfor水性ボールペン 黒

Sherpaの元々の対象はシャーピー(Sharpie)という、アメリカとかでは超ポピュラーなのに、日本ではマジックインキやゼブラのマッキーに歯が立たないのか全く目にしない油性マーカーなのだが(海外でアンカンファレンスとかハッカソンとかに参加すると大量に供されるので見覚えのある人もいるだろう)、軸の尻ににバネが仕込んであるので、シャーピー以外にもいろいろ収まる。

シャーピー F/Sharpie F (中字・丸芯)【ブラック】 S3 30001

個人的にはシャーピーもいいけれど、以前書いたユニボール ビジョンエリートを入れて高級水性ボールペンにしたり、これまた以前書いたOHTOの筆ボール(採点ボール)を入れて高級ぬるぬる極太ボールペンにしたりして愛用している。なかでも一番ユニークな使い道は、蛍光ペンを入れることだろう。見た目が高級な蛍光ペンというのがほとんど無いので貴重である。どの蛍光ペンでも収まるというわけではないと思うが、とりあえず私が愛用しているスタビロのナビゲーターはぴったり収まる。

STABILO 蛍光ペン ナビゲーター 545-24 イエロー

例によってAmazon.co.jpではボッタクリの悪徳業者しか扱っていないが、私が昔買ったClassicというのは34ドル95セントなので、定価は4000円くらいだと思われる。というか、復活前はClassicしかなかったのだが、今はもっと高い軸も安い軸もあるみたいですね。Ultimateとかいう高い奴ならジェットストリームも入るようになったようだ。そのうち買ってみるかな。

 

フリクションボールえんぴつはなかなか良い

フリクションボールえんぴつ 6色セット LFP78FN-6C

老いぼれの上に元来集中力が欠けているので、本も論文も線を引いたり定規を当てたりしながら読まないとなかなか頭に入ってこないのだが、そんなときに便利なのが、こすると消えるパイロットのフリクションである。

ところで、私はこれまでフリクションが苦手だった。ボールペンは発色が良く、かつ書き味が良くないとイヤなのだが、フリクションは総じて色が薄く、書き味もかすれがちというかひっかかりがちで、消せるということ以外積極的に使いたい要素があまり無かったのである。

そんなわけでフリクションは最近まで全く眼中になく、長年トンボのリポータースマートを使っていたのだが、ひょんなことからフリクションボールえんぴつという製品の存在を知った。試しに使ってみたら、これがなかなか良かったのである。

これ、「えんぴつ」と言いつつ実は0.7mm径のボールペンなのだが、発色が鮮やかで、しかも書き味がぬるぬるとまでいかないにしても、かなりなめらかである。私自身は黒赤青緑の4色しか使わないのでどうでもいいのだが、色のバリエーションも豊富なようだ。

ちなみにフリクションいろえんぴつという、外見も中身も本当に鉛筆的なものもあって、ついでに言うとフリクションボールえんぴつは元々フリクションボールいろえんぴつと呼ばれていたらしいのだが、何が何やらさっぱりわからん。もう少し考えてネーミングしてもらいたい。

 

オート NBP-505SHとネットの記憶

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先日都内某所のカフェで打ち合わせまでの暇を潰していて、約束の時間となり店を後にしたのだが、うっかり席にペンケースを忘れてしまった。慌てて戻ったのだが、ゴミとして捨てられたのか、あるいは世の中には物好きがいるということなのか、すでに失くなったあとだった。

といってもペンケースはコクヨのネオクリッツだし、中身もしょせんボールPentelとかプラチナプレスマンとか安物ばかりなので、金銭的なダメージは大したことなかったのだが、一本だけ廃番で今では入手が難しくなっているのがあって往生した。それがこのオートのNBP-505SHというボールペンである。SHはSilver Hexの略だろうから、本当の品番はNBP-505かもしれない。

このブログではさんざん油性ボールペンをdisってきたが、実のところ私が今まで一番長く付き合った筆記用具は、この細長いマイナーな油性ボールペンなのだった。買ったのはたぶん10年以上前ではないかと思う。そもそもの定価は500円だし、何か特筆すべきところがあるというわけでもないのだが、いわゆるニードルポイントというやつで、ペン先が通常のコーン状ではなく針のようになっている。パイロットのハイテックCなどと同じタイプで、最近はあまり人気がないようだが、ペン先の接地点が小さいので力が入りやすく、また手元が見えやすいので、細かい字を筆記するのが楽なのだ。ソフトインクと称するインクもしょせん油性とは言え、ジェットストリーム登場以前からあるものとしてはかなりなめらかなほうだと思う。カランダッシュのエクリドール的というか、鉛筆的な六角形の軸は、手に当たって痛いからイヤだという向きが多いかもしれないが、グリップのローレット加工の溝の幅が絶妙なこともあって私はそんなに気にならない(というか、すでにペンに合わせてペンだこが出来てしまっている…)。ようするに、今さら他人にお勧めする気はないが、私としては無いと困るのである。

ざっとOHTOのウェブサイトを見たところ、0.5mmだとジーフィットスレンダーというやつか、スリムラインとかいうのが後継のようなのだが、そもそもどちらも六角軸でははない。改悪とまでは言わないが、根本的に別物のようである。結局オークションにデッドストックが出品されていたので、定価の2倍(といっても1000円だけど…)で落札したのだが、それにしても思うのはインターネットの記憶のはかなさである。大ヒットしたとは思えないが、それなりの本数が出たはずのこのボールペンに関する情報が、検索してもまるで出てこないのだ。そもそも商品画像すら見つからないのである。ネットは忘れないなどという人もいるが、実のところネットはマイナーな情報にはとことん冷淡だと思う。我々が気づかないだけで、日々情報は忘れられ、失われているのだ。だからこそ、法的に、規範的に、コード的に、アーキテクチャ的に、記憶が失われることがないよう工夫していかなければならないと思うのである。

 

加圧式ボールペンの話

Hipster PDAに限らず、メモを取るには筆記用具も重要だ。私個人としてはとにかく(昔の)油性ボールペンが嫌いで、油性ではありがちなことなのだが書き出しでインクがかすれて出ないことがあると、ものすごく腹が立つ。ムカっとした瞬間に何を書こうとしていたか忘れてしまうことすらある。

そういう意味で一番良いのは鉛筆ないしシャープペンシルで、私も家ではプラチナのプレスマンを愛用しているのだが、胸ポケットに紙をむき出しで入れるHipster PDAなりジョッターなりの場合、どうしても書いた字がこすれて汚れてしまったり、ぼやけて読めなくなってしまうことがある。私のように、どちらかと言えば2B以上の柔らかい芯を好む人間の場合は特にそうだ。あと、鉛筆はいちいち削るのが面倒くさい。

ぺんてる ボールPentel 水性ボールペン 0.6mm 黒 [1本] B100-AD

そんなわけで、今までは主にボールPentelという、書き味は超素晴らしいのだがデザインがびっくりするくらいダサい水性ボールペンを使っていたのだが、Hipster PDAの名付け親であるマーリン・マン氏がフィッシャー社のスペースペン推していたので、ちょっと興味を持ったのである。

スペースペンに関しては、私も名前だけは知っていた。ボールペンは重力がないと上のインクリフィルから下のボールまでインクが落ちてこないので、無重力の宇宙空間では使えない(らしい)。そこでNASAは巨費を投じ、リフィルに窒素ガスを封入して加圧することでインクを強制的に押し出すというスペースペンを開発した。一方、ソ連は鉛筆を使った…というアレだ。実際はほとんど都市伝説というか間違いで、snopes.orgの記事によるとNASAは自前で開発しようとしたのだが金がかかりすぎて断念、鉛筆(というかシャープペンシル)を使っていたのだが、フィッシャー社が全く独立に開発してNASAに売り込み、それを導入したというのが事実のようだ。実のところ、ソ連も間もなくスペースペンに乗り換えている。

それはともかく、構造上基本的にボールペンは下向きで書くべきものなのですね。別に無重力でなくとも、上向きで重力に逆らって書くためにはインクを大気圧以上に加圧して押し出す必要がある。そうしないとそのうち空気が入ってインクが逆流し出なくなってしまうわけだ。実は私は結構寝床でメモを書くことがあるのだが、今までそんなこととは全く知らずに、仰向けになって普通のボールペンで書いていました…。立ってメモを取るときは、上向きとまではいかなくても地面に対して水平くらいの角度で筆記することはよくあるが、これもペンによってはあまり良くないらしい。

Fisher スペースペン ブレット EF400

そんなわけで以前Smithへフィッシャー・スペースペンの実物を見に行ったのだが、本体もリフィルも高いし、デザイン的に一番優れていると思うブレットのEF400というのにはクリップが無く、クリップ付きのものはなんだかバランスが悪く、もう少し普通のボールペンらしい風体のものはクリップがスペースシャトルの形をしているとか、星条旗があしらわれているとかいう案配で、土産物としてはいいが日常使いにはややハードルが高いように思われた。

トンボ鉛筆 加圧式油性ボールペン エアプレス BC-AP12 フルブラック

加圧式のボールペンは今となっては別にフィッシャーの専売特許ではなくて、日本のメーカーからも遙かに安価なものがいくつか出ている。三菱のパワータンクトンボのエアプレスが有名のようで、試しにどちらも買ってみたが、インク自体はジェットストリーム以前の普通の油性インクなので特筆すべきところはないものの、少なくとも書き出しでかすれることが全くないのには感心した。パワータンクは専用の加圧済みリフィルが必要なのに対し、エアプレスはノック時に圧縮空気をリフィルに送り込んで加圧するタイプで基本的には普通のリフィルなのだが、エアプレス本体が短いのでリフィルも短い専用のものを使う必要がある。パワータンクはいかにも事務用品という感じだが、エアプレスの特にフルブラックというモデルは、黒を基調に差し色として赤が入っていて、なかなか精悍なデザインで気に入っている。

パイロット ダウンフォース BDW-40F-B

パワータンクもエアプレスもいいけれど、普通の長さのリフィルが使えるのはないかなと思ったら、同じことを考えた人がメーカーにもいたようで、パイロットが出していた。ダウンフォースという名前で、エアプレス同様ノックでリフィルを加圧するタイプだが、普通の長さのリフィルが使える。デザインは今一つどんくさいが、ウェブサイトはなかなか気合が入っている。メーカー推奨ではないものの、パイロットが出している低粘度油性インク、アクロインキのリフィル(BVRF-8EF)も使えるので、さらになめらかな筆記が楽しめるのもメリットだ。胸ポケット等に刺してクリップが開いているときにはノックが自動的に解除される機構が備わっているので、いつの間にかペン先が出ていてシャツに前衛絵画が描かれているということもない。ここしばらくはこれを使っていた。

なぜ使ってい「た」と過去形なのかというと、実は誕生日のプレゼント(もちろん自分に)として万年筆を買って、最近ではこちらを使うことが多いからである。この話はまた後日。