ぼくのかんがえたさいきょうのノマドワークツールキット

Kickstarterで申し込んでいたThe Roost Laptop Stand(とRKM case)がようやく到着した。出資したのはいつだったか覚えていないくらい前のことだが、とにかく届いてよかったよかった。

the roost stand at work

前にも書いたが、基本的に自宅の自室と大学の研究室を行き来する生活を送っているので、およそノマドワーカーとは言い難い。ただ、ここ数年は国内、海外問わず出張へ行くことが増えてきたし、職場が自然豊かな地(婉曲表現)にあるということもあって、都心へ行く用事がある際には出先で数時間仕事をするということもある。そうなると、普段慣れ親しんだ環境以外であれやこれやと作業をするということが多くなるわけだ。去年は大学図書館の地下書庫に籠もって調べ物をすることが結構あったので、そういうときもいわば出先で作業ということになる。

スタバ等のこじゃれたカフェだと、どこへ行ってもノマドワーカーないしノマドワーカー・ワナビーみたいな人がいっぱいいるが、いつも思うのは、連中カラダが凝らないのかなということである。大体机が低いので、ラップトップの画面が普通に椅子に座ったときの正面への視線よりも下にくる(机が無くて本当にひざ(ラップ)の上にラップトップを置くときも当然そうなる)。そこで、ラップトップに覆い被さるような猫背の姿勢でキーボードを叩くことになるわけだが、あれは相当体に負担のかかる姿勢だと思う。むかし大学院生だったころ、よんどころない事情で夜中に翻訳を近所のデニーズでやっていたのだが、首はつるやら肩は凝るやら背中は張るやらで困ったものだ。

そんなわけでラップトップのディスプレイは視線と水平なあたりまで持ち上げたいのだが、そのために必要なのがいわゆるラップトップ・スタンドである。カテゴリとして決まった名称は無いようで、海外だとlaptop standとかlaptop riserとか様々な名前で呼ばれているが、それなりに使われているようだ(専門店すらある)。日本ではそもそもあまり普及していないが、ライヴハウスでラップトップ・ミュージックをやる音楽家が使っているのを見たことはある。これもいろいろな製品があるのだが、重くてかさばる上、そもそも画面を必要な高さまで持ち上げられないものが多く、持ち運びを考慮したものもあまり無かった。

そんな中で私が大昔から使っているのはCBS Lapjackという奴で、昔は原宿のアシストオンにあったのだが、今は扱っていないようだ。HYLITEという特殊素材で出来ていて、折りたたむと薄くなって軽いのがよいのだが、サイズとしてはA4オーバーなので、かさばならないかと言えば嘘になる。

(有)ドーフィールドジャパン ノートPCスタンド ブラック EGNB-100

Amazon.co.jpで簡単に買えるのは上の写真のこれだが、元はといえば台湾かどこかのメーカーが作っているらしく、OEM(?)なのかどう見ても同じものが違うブランド、違う名前で出ている。これも悪くはなく、私は自宅や研究室で据え置きとして使っている。下に何かひいておかないと、動かすたびに机に傷がついてしまうのですが…。

この手のニッチな製品はクラウドファンディング向きのようで、KickstarterにもThe Roost以外にFLIOThe Apex Revolutionというのもあるようだ。まあ、機能とコンパクトさと重量の兼ね合いでは、今のところThe Roostがベストだと思う。軽いし、なんといっても開くときはパカッと開いて、仕舞うときは一本の棒にまとまるというギミックが独創的である。

RKM case at work

この種のスタンドを使うと、外付けのキーボードとマウスが必要になる。今回はThe Roostのおまけとして、スタンド以外にその他一式も入れられるバッグのRKM(Roost Keyboard Mouse)caseというのも買ったのだが、これもなかなか良かった。

PFU Happy Hacking Keyboard Professional2 墨 英語配列 静電容量無接点 USBキーボード Nキーロールオーバー UNIX配列 WINDOWS/MAC両対応 ブラック PD-KB400B

注文した当初は、RKM caseにHappy Hacking Keyboard Professional2を入れて持ち歩くつもりだったのだが、このところAndroidタブレットもかなりヘヴィーに使うようになっていて、Bluetooth非対応のHHKBはやや持ち出しにくい。

LOGICOOL Bluetooth イルミネートキーボード K810

そこでBluetoothキーボードを物色したのだが、なかなかこれというめぼしい製品がない分野で、

  • Bluetooth対応(これは当たり前)
  • マルチペアリング(複数の機器といちいち再ペアリングすることなく接続可能)
  • HHKBやRealforceのような静電容量無接点方式並みとは言わずとも、そこそこの打ちやすさ(安物キーボードにありがちなぐにゃっとした打鍵感がない)
  • あまり変態的ではない日本語配列
  • それなりの質感

あたりを満たす製品となると、事実上Logicool K810しか無いのではないかと思う。3台までマルチペアリングできるし、最近のMicrosoftのキーボードのような余計なことはしていないのでCtrlとCapsのスワップも素直にでき、ファンクションキー等がDebianというかGNU/Linuxから設定可能なのもよろこばしい。しばらく使っているが(このブログも大半はこのキーボードで書いた)、不満のない出来である。

LOGICOOL ロジクール Bluetooth ウルトラスリム タッチマウス ブラック T630BK

Bluetoothマウスもこれまた決定版の無いニッチで、私もいろいろ調べてみたのだが、特にマルチペアリングでモバイルということになると、これまたLogicoolのT630しかないのではないかと思う。これはこれでよいマウスなのだが私の手にはやや小さすぎるので、普段は仕方なく、BluetoothではないがワイアレスではあるトラックボールのLogicool M570を使っている。親指で球を回すタイプのものであれば、普段はマウスを使っていてもあまり違和感無く移行できるのがこの種のトラックボールの良いところである。場所も取らないし。

LOGICOOL ワイヤレストラックボール M570t

M570のBluetooth版が出ればすぐ飛びつくのだが、そもそもBluetoothのトラックボールというのが無いんですよね。ちなみにRKM caseにはM570もちゃんと入る(HHKBも入るが)。別にLogicoolから金をもらっているというわけではない(むしろ大枚払っている)のだが、この種のガジェットを機能本位で選ぶと、どうしてもLogicoolばかりになってしまう。

Gechic On-Lap1303I 13.3インチモバイル液晶モニター 10点マルチタッチ対応、IPSパネル採用 最大解像度1,920×1,080 保護カバー&スタンド付

加えて、自宅にしろ研究室にしろマルチ・ディスプレイ環境に慣れきっているので、出先でもせめてデュアル・ディスプレイもどきにはしたいのである。最近ではGechic On-Lap1303Iのような本格的なモバイル・ディスプレイもあるが、ディスプレイにしか使えないものをいつも持ち歩くというのもなあというのがあり、やはりここは普段持っているタブレットを、必要な時だけ拡張ディスプレイとして使いたいわけです。

この種のことを実現するアプリはAndroidにしろiPadにしろいろいろあるのだが、いくつか私が試した限りでは、Androidタブレットでまともに使えるのはTwomonUSBだけのような気がする。USBケーブルでつなぐと簡単にディスプレイを拡張できる。有料だが大した値段ではないしとても便利だ。

オウルテック iPhone6/6Plus/iPhone5/5S/5C/5/iPod/Galaxy/Xperia等各種スマートフォン 8インチまでのタブレットPC対応アルミスタンド 105°までの無段階角度調整 【JAS mini】 グレー R9-TPS-JSMGJ-GP

タブレットを立てるタブレットスタンドも、これまた星の数ほど出ているが、

  • 安定して立てられる
  • ある程度角度が変えられる(これ意外と重要)
  • 重量が軽くかさばらない

となると、途端に数が絞られる。私が知る限りでは、これら全ての条件を満たすのはこのCoolerMasterのJAS miniくらいしか無いように思う。スマホならOKでもタブレットを乗せるとひっくり返ってしまうものが多い中、これは足にゴムの滑り止めが付いていることもあってなかなかしっかり立つし、しかもかさばらない。

キングジム タブレットPC・ノ-トケ-スS タブリオ  7901 黒

タブレットケースの類も多いが、私はキングジムのタブリオを愛用している。タブレット以外にJAS miniもポケットに入れて持ち運べるし、一緒にA5のノートと多色ペンも持ち歩くことができる。取っ手がついているので、これだけで持ち歩きも出来るしバッグからも出しやすい。あまり話題にならないが、必要なものがこれ一つにちゃんと収まるという点で言えば、これはなかなかのすぐれものだと思う。

The Roost Stand, K810, M570, T630, JAS Mini, Tablio, RKM case

というわけで、総合すると2016年現在わたくしが思う最良のノマドワーク用品一式は、上の写真のような構成になる。去年から大体この構成(先日までスタンドはLapjackだったが)でカフェやら会議室やら空港のラウンジやらを動き回っているが(さすがに新幹線や飛行機は机が小さすぎて無理)、ほぼストレスフリーな作業環境が、40cm×40cm(タブレットも置くなら40cm×50cm)くらいのスペースに収まる。背景がおしゃれなカフェではなく私の小汚い研究室なので、見た目はぱっとしませんがね。もし、他にもこんなものがあって便利だということがあれば、ご教示いただけるとありがたい。

 

ラジカル・オネスティとクロッカーのルール

Radical Honesty: How to Transform Your Life by Telling the Truth

先日ロージナ茶会の新年会でラジカル・オネスティの話をしたら誰も知らなかったので驚いた。変人および変人を装う平凡な人間しかいない茶会員が同じような変人組織のことを知らないのはあるまじき失態だと思った。英語ならWikipediaの項目もあるのに。というかポッドキャストで取り上げたことすらあったのに。

といっても私も大して知らないのだが、以前HuluLie To Meという海外ドラマを見ていたらこれを実践している(と称する)キャラクタが出てきて、大変うざかったので興味を持ったのである。ちなみにこのイーライというキャラクタは、ドラマが進展するに従ってだんだんまともでつまんない奴になっていってしまったのだが。

ラジカル・オネスティというのは、ブラッド・ブラントンという心理学者が始めた運動らしい。その教義(?)は単純で、ようするに嘘は良くないということである。過激に正直(オネスティ)でなければならない。英語でwhite lie、罪のない嘘という言い方をするが、我々は相手の気持ちを傷つけたくないのでついお世辞やおべっかをつかってしまう。しかしこれが罠で、これをやっている間はいつまで経っても真の意味で他人とコミュニケートすることはできない。いわばA.T.フィールドを突破できないのである。そこで、たとえば嫁さんや彼女に「最近わたし太った?」と聞かれたとき、実際太っていた場合には「うん、太ったね」と正直に答えなければならない。このポリシーを採用すると短期的には相当な軋轢が生じることが容易に予想されるわけだが(ひっぱたかれる、離婚を申し出られるなど)、貫徹されれば裏表の無い、真の信頼に基づいた親密な関係を築くことが期待できる。なお、ラジカル・オネスティは基本的にプライベートな人間関係において適用されるルールである。家に押しかけてきたゲシュタポにユダヤ人はいるかと聞かれたらいませんと言っていいし、ゲームにおいてはブラフをかけても良いわけだ。

むかし日本でもモヒカン族というのがあったが、あれにちょっと似ている。ただしモヒカンもそうだったが、ラジカル・オネスティは、相手を意図的に、あえて罵倒したり嫌がらせをして構わないということではない。事実は事実として率直に淡々と指摘せよ、その結果として相手に腹を立てられても仕方がない、という話である。公式サイトを見るとニューエイジ的というかカルト臭い感じがするし、どことなく怪しげなのだが、基本的には正しいことを言っていると私は思う。

まあ、人間は太陽も死も直視できないし、真実を扱うこともできない弱い生き物ではある。私も出来るだけ正直にと心がけてはいるものの、ラジカル・オネスティは実践していない。私自身が昔から採用しているのはクロッカーのルールである。言い出したのはMediaWikiの原作者リー・ダニエル・クロッカーで、いわばラジカル・オネスティの逆バージョンと言える。他の人が、あなたに対して過激に正直であることを認めるというルールである。大して長くないのでそのまま訳出しておこう。

自分が「クロッカーのルール」に従っていると宣言することにより、あなたは他の人があなたに対するメッセージを、あなたにとって快いかどうかではなく、情報量の面で最適化することを許可することになる。クロッカーのルールに従うということは、あなた自身の心の中で起こることに関して、あなたが全責任を負うことを受け入れるということを意味する。すなわち、何かを不快に感じたら、それはあなたの責任だということである。誰でもあなたを馬鹿呼ばわりし、それをあなたに対して親切を施してやっているのだと主張することができる。(実際、これは本当に親切な行為なのである。我々が暮らす文化が抱える大問題の一つは、他の人が、あなたは間違っていると言うのを恐れて黙ってしまうか、その場を取り繕わなければならないと考えてしまうことなのだ)。二人の人物がクロッカーのルールを採用した場合、言い換えたり社会的な体裁を整えたりする必要がなくなるため、全ての必要な情報を最小の時間で伝達することが可能になるはずである。もちろん、必要とされる精神的な自制を備えていない限り、あなたはクロッカーのルールに従っていると宣言すべきではない。

クロッカーのルールは、あなたが他人を侮辱してよいということを意味「しない」ことに留意せよ。クロッカーのルールは、他人があなたを侮辱することを恐れる必要がないということである。クロッカーのルールは自らに課す規律であり、特権ではない。加えて、クロッカーのルールを採用するということは、必ずしも相互利益の追求を意味しない。そんなわけないでしょ?クロッカーのルールは、あなたが自分の得られる情報を最大にするのを狙って行うことであり、歯を食いしばって我慢してでも他人に施してやるという性質のものではない。

「クロッカーのルール」はリー・ダニエル・クロッカーにちなんで名付けられた。

 

シュナイダー One Business ローラーボール

Schneider One Business Rollerball Pen, 0.6 mm, Blue by Schneider [並行輸入品]

ペン先が樹脂で出来ている水性ボールペンが好きという話を先日書いたが、取り上げたのはぺんてるのボールPentelとシュナイダーの852リフィルベースのペン(BaseballやBreeze、ID Duoなど)、そして最近出た三菱鉛筆のユニボールエアだった。他には無いと思っていたのだが、ある人からシュナイダーが852とは別系統の樹脂ペン先の水性ボールペンを出していると教えてもらった。それがOne Businessである。

吉祥寺のSmithに何本かあったので買ってみたが、見たところ確かにペン先はプラスチックで玉は金属のようだ。同じ会社の製品なので852リフィルベースのペンと良く似た書き味だが、852とはおそらくペン先の素材が異なるので、若干紙との摩擦を感じるというか、ユニボールエアに近い書き味のように思う。悪くない感触である。例によってAmazon.co.jpには怪しげな業者のぼったくり価格でリストされているが、ブンドキ.comでは399円。

この種のペンはインクの消費が激しいので、リフィル交換が出来ず使い捨てというのはやや疑問なのだが(One Businessがどれくらい保つかはまだ使い切ったことがないので分からない)、いずれにせよ樹脂ペン先の水性ボールペンの選択肢が増えることは歓迎すべきことである。ありがたやありがたや。

 

シャープペンシルの芯の太さに無意味にこだわる(増補改訂版)

シャープペンシルの芯の太さにはどのようなバリエーションがあるのか、ふと興味を持った。

私自身はこれまで0.9mmの太さのシャープペンシルを愛用してきたのだが、最近になって1.3mmのシャープペンシルというものが存在することを知り、メモ書きに使い始めた。これはこれでなかなか良いものである。最近は極細の0.2mmも学生に人気のようだ。

かつては製図用としても一定の需要があったシャープペンシル(ちなみに米国ではメカニカルペンシル mechanical pencil、英国ではプロペリングペンシル propelling pencil と言うらしい)だが、すでに私が子供のころから製図はCADでやるものになっていたので、そういう需要はほぼ消えたと思しい。今のメインターゲットは一般筆記、それも中高生向けですかねえ。しかし鉛筆と違っていちいち削る必要がなく、ボールペンと違って芯を出しっぱなしにしておいても(当たり前だが)乾かずにすぐ書けるというシャープペンシルの特性は、メモ取り用として机の上に転がしておくには最適なのだ。

ちなみに、シャープペンシルは買うと大体最初はHBの芯が入っているが、まあ好みにもよるんだろうけれど、個人的にはHBはしゃりしゃりしてあまり書き心地が良くないと思う。せめてB、できれば2B以上の柔らかい芯を入れ直すと良い。だいぶイメージが変わります。

なお、Wikipediaの「シャープペンシル」の項目には、

芯の直径はJISでは0.3mm(0.35mm)、0.5mm、0.7mm、0.9mm(1.0mm)、2.0mmが定義されており、これらは製図にも適する公比√2の等比数列に近く構成されている。その他には0.2mm、0.4mm、1.3mm、1.4mm等がある。日本では0.5mmのものが最も多く使われており、芯の種類が最も多い。

とある。なぜ等比数列…。

と、2016年の正月にこの記事を書いたのだが、この一年で新たな知見を多く得たので、2017年の正月もまたシャーペンの話を書くのである。我ながらどうかしている。


0.1mm

さすがにこの細さになると、少なくとも一般向けには実用化されていないようだ。英語版Wikipediaのmechanical pencilの項目には、ぺんてるがかつて0.1mmを限定版として出した、というようなことが書かれているが、私自身は確認できていない。

と、2016年には書いたんだが、その後ぺんてるが展示会等で0.1mmの芯を出品して来場者に試し書きさせているという話を聞いた(文マガの記事)。どうやら実在するらしい。わたくしも書いてみたいものである。

0.2mm

ぺんてる シャープペンシル オレンズ ラバーグリップ付き 0.2mm オレンジ XPP602G-F

製図用としては以前から存在していたようだが、一般に普及させたのは2014年に出たぺんてるのオレンズであろう。どうしたって折れるなら、芯をガイドパイプから出さずに書けるようにすればよいという発想の転換が素晴らしい。学生が使っていたので私も買ってみたが、特に違和感無く書けるし、見た目のデザインにも日本の文房具らしからぬ洗練がある。使ったことが無い方には一度試してみることをおすすめする。

最近気がついたんだが、一年前Amazon.co.jpへ張ったリンクはなぜか0.3mmバージョンだった。すみません…。

0.3mm(0.35mm)

三菱鉛筆 シャープペン ユニ クルトガ ハイグレードモデル 0.3mm ブルー

標準的な芯径の一つであり、様々なメーカーが出している。私自身は三菱鉛筆が出しているクルトガのハイグレード・モデルというやつを持っている。ハイグレードといっても1000円しませんが…。この細さだと、芯が回転して自動的に研いでくれるというクルトガ・エンジンのありがたみはあまり感じられないのだが、普通に良く出来たシャープペンシルである。なお、0.3mmと0.35mmは基本的に同じとして扱われているようだが、0.35mmと明記されているものとしてはロットリングのティッキー等がある。同じ芯が使えるんですかねえ。

0.4mm

ぺんてる シャープペン グラフ1000 フォープロ 0.4mm PG1004

一般的にはあまり目にしないが、日本においては製図用としてそれなりに普及した芯径のようで(海外では全く使われていないらしい)、様々なメーカーが出している。私自身はぺんてるのグラフ1000フォープロを持っている。このグラフ1000フォープロというのも名作の誉れ高いシャープペンシルで、確かに軽くて一般筆記用としても書きやすい。実はかなり愛用している。

0.5mm

ぺんてる シャープペン スマッシュ Q1005-1 0.5mm

おそらく日本では最も多くのシャープペンシルが採用している芯径であろう。ありとあらゆる製品があるが、たとえばぺんてるのスマッシュが代表ですかねえ。シャープペンシルに限らず基本的にペンはペン先のほうに重心が来るほうが書きやすいのだが、その点スマッシュの重量バランスは完璧だ。Amazonでベストセラー1位らしいがそれも納得である。別に私はぺんてるの回し者ではありませんが…。

0.6mm

まず目にしないレアな芯径だが、トンボ鉛筆がトルコで一時期生産していたらしい。そのうちトルコへ行く機会があったら血眼で探してみようと思う。

0.7mm

ロットリング メカニカルペンシル 800 0.7mm ブラック 1904446 正規輸入品

複雑で細かい字形を書く必要がある漢字文化圏以外では、最もポピュラーな芯径ではないかと思われる。海外の人(だいたい数学屋)でこの太さのを使っている人は多い。私自身はロットリングの800+を持っている。私が持っている中でおそらく最も高価なシャープペンシルである。見栄を張って買ったのである。そしてあんまり使っていない…。

これも、一年前はなぜか0.5mmバージョンにリンクを張っていた。修正済み。

0.8mm

おそらく存在しないのではないか。まあ別に0.1mm刻みである必要もないわけだが…。

と2016年には書いたが、どうも0.8mmもアンティークで実在するらしい。私自身は実物も替え芯も一度も見たことがないのですが…。

0.9mm(0.92mm, 1.0mm)

プラチナ プレスマン シャープペン 速記用0.9mm芯2B 2105010

これまた標準的な芯径であり、多くの製品が存在する。私自身が最も好む太さでもある。たとえばプラチナ萬年筆のプレスマンがそうだ。ちなみに0.9mmはドイツでは1.0mmと同じと見なされるようで、ドイツの1.0mmの芯というのは実は0.9mmと同じ太さらしい。一方、大昔のパーカーのメカニカルペンシルは、本当に1.0mm(正確には0.04インチ、すなわち1.01mm)の径の芯を使っていたという話もある。アメリカでどのようにメカニカルペンシルの芯径が標準化されていったか、なんてのは、経営史か何かの論文ネタになりそうですね。

なお、0.9mm以上になるとちゃんと削った鉛筆の芯先よりも太くなるので、一般的なシャープペンシルの「削らずに済む鉛筆」という性格が保たれるのはこのあたりまでではないかと思う。

その後、アンティークの世界では0.92mmが結構ポピュラーという話を聞いた。70年代くらいまで作っていたようで、モンブランのノック式ペンシルPixのシリーズが有名のようだ。替え芯は今でもアンティーク屋で0.92mm芯と銘打ったものを売っているようだが、どうやら現行の0.9mm芯も使えるらしい。とはいえ私自身は0.92mmのペンシルを一本も持っていないので、鵜呑みにしないでね。

ちなみに、いにしえの時代は0.9(2)mmが細(thin)で、1.1(8)mmが太(thick)とされていたそうである。0.9mmが0.036インチ、1.1mmが0.046インチの換算。

1.1mm

Autopoint TwinPoint Mechanical Pencil - Standard Configurations - .1mm Black/.1mm Red 206-1RE by PencilThings [並行輸入品]

日本ではまず目にしないが、アメリカのAutopointという会社がいくつか出しているようだ。特にTwinpointというやつは、昔あった黒赤ダブル鉛筆のように軸の両端にペン先が付いていたりして、なかなか好き者心を誘われる。ちなみにAmazon.co.jpで出品されているのには5000円近い値段が付いているが、本来の値段というかブンドキ.comだと600円くらいである。ぼったくりですなあ。

1.15mm

Retro 51 Tornado Pencil Black Stealth by RETRO 1951 [並行輸入品]

アメリカ・テキサスのメーカーRetro51のトルネード・ペンシルがこの太さの芯を採用している。なんでこんな中途半端な太さを採用しているんでしょうね。クロスワードペンシルはちょっと欲しいけど…。

その後、よせばいいのにひょんなことから同じシリーズの数独ペンシルを買ってしまった。もう廃番なのだが、別件で行った田舎のホームセンターでうっかり見つけてしまい欲望に負けたのである。数独なんかやらないのに…。

1.18mm

ヤード・オ・レッド YARD・O・LED パーフェクタ ビクトリアン ペンシル 1.18mm 941311

芯を1.0mmより細くする技術が確立されるまでは、製図用として広く使われていた太さらしい。アンティークでよく見かけるが、今でも趣味人向けの高級品として作られているようである。イギリスのヤード・オ・レッドあたりが代表例か。もう少し手が出しやすい値段のものとしては、ドイツのメーカーカヴェコの製品などがある。

とか1年前はのんきに書いていたのだが、またもやひょんなことから1.18mmのペンシルを2本も買ってしまい、最近は毎日使っております。ペリカンと、1967年に潰れたゾェーネケン(Soennecken)というドイツのメーカーのものだが、なかなか悪くない。替え芯も、しかるべき店に行けばHBはおろか4Bのものが手に入る。太くてねっとりした書き心地がたまらん。

1.2mm

おそらく存在しないのではないか。まあ1.18mmはほとんど1.2mmみたいなものだが…。

と、ここまで書いてきて言うのもなんだが、実のところ1.1mmと1.15mmと1.18mm(と1.2mm)は基本的に同じ太さではないんですかね。問題は、私がこのあたりの太さのシャープペンシルを一本も持っていないので自ら比較ができないということなのだが(だってどれも高いんだもの)、どなたかご存じの方はご教示いただけるとありがたい。

と2016年には書いていたわけだが、その後1.1mmも1.15mmも1.18mmも手に入れてしまい、我ながら隔世の感がある。見たところほとんど同じ太さに見えるが(0.01mm単位の違いだから当たり前)、詰まるのが怖くてアンティークには差せない…。

1.3mm

ステッドラー シャープペンシル 1.3mm 771

最近になって、資格試験のマークシート塗りつぶしに向いているというので一般化した太さである。ぺんてるからは、その名もずばりマークシートシャープというのが出ている。

私自身が1.3mmの存在を知ったのは比較的最近のことだ。たまたま雑貨屋の店頭で見かけた、スズメバチみたいな派手派手しい色のへんてこなシャープペンシルが、実はステッドラーの製品ということに気づき、びっくりして買ってしまったのである。771というのがそれだが、ドイツで製図用品でお堅いというイメージのステッドラーらしからぬ悪趣味な色使いと太軸ぶりが気に入った。見た目はアレだが、軽くて手になじむ軸の太さなので非常に書きやすく、今ではこればかり使っている。なおアリスト(Aristo)というオーストリアのメーカーの3fitというのもよく目にするが、これも細身の三角軸で握りやすくなかなか良い。771よりも穏当なデザインの1.3mmシャーペンが欲しければ、これ一択ではないかと思う。国産品ではコクヨの鉛筆シャープなどもある。建築の世界では、建材へのいわゆるすみつけに広く使われているようだ。ちなみに1.3mmの替え芯はHBばかりなのだが、日本ではコクヨが2Bの替え芯を出していておすすめである。海外でも珍重されているらしい。

1.4mm

ラミー ペンシル abc ブルー 1.4mm L109 正規輸入品

日本製品は見かけないが、ラミーやスタビロ、ファーバーカステルなど海外のメーカーが、主に子供の教育用として出している芯径のようだ。大人向けにもファーバーカステルがエモーション(e-motion)というのを出している。ちょっと欲しい。

ファーバーカステル シャープペンシル エモーション ウッド&クローム 梨の木 ブラウン 138382 1.4mm 正規輸入品

と2016年には書いたが、これもなぜか池袋の世界堂にあったのでうっかり買ってしまった。悪くはないが、1.3mmにしてくれればコクヨの2B芯が使えるんだけどねえ。なんでも宮台真司氏もご愛用だそうで…。

1.5mm

2016年の段階では1.5mmなんてないだろうと思っていたのだが、実は大昔のイギリスではそれなりにポピュラーだった芯径らしい。実物も見たことがありますが、1.18mmと違って流石に今では替え芯が手に入らないでしょうねえ。

1.6mmから1.9mm

私が知る限りでは存在しないと思うのだが、あまり自信はない。何かご存じの方はご教示ください。

2.0mm

北星鉛筆 大人の鉛筆 B/2mm 芯削りセット OTP-680NST

このへんがおそらく「シャープペンシル」の限界で、これ以上になると芯の繰り出し機構が無くなり、芯ホルダーとかクラッチ・ペンシルと呼ばれることが多くなるように思われる。削っていない鉛筆の芯とほぼ同じ太さであり、基本的には専用の芯研器を使って芯を削らないといけない(もちろんデッサンなどお絵かき用途ならその限りではないが)。最近はいわゆる「大人向け鉛筆」ブームで、これまた様々なメーカーが出すようになった。ブームの火付け役になった北星鉛筆大人の鉛筆や、OHTOの木軸シャープあたりが代表か。2.0mmというのも、これはこれで独特の書き味があってなかなか良いものである。鉛筆使えよという話でもあるが。

というわけで、新年早々何やってんだという感じではあるが、あけましておめでとうございます。今年もよろしく。