万年筆の話

万年筆キャップレス マットブラック【F】 FC18SRBMF

普段私はローラーボール(水性ボールペン)を使っているので、万年筆を買う必要性というか理由は全く無かったのだが、まあ誕生日だし、ちょっとくらい散財してもいいかということで買ってみた。しかも一挙に2本買いました。馬鹿にも程がある。

今までにも万年筆を手に入れたことはあったが、だいたい人からもらったとか、雑誌の付録だったとかで、自分から意識的に買ったことはない。ノックすればペン先がすぐ出るボールペンに体が慣れきっていることもあり、わざわざキャップをねじって外さなければならない万年筆は面倒で、すぐ使わなくなる。しかも多くの万年筆は、しばらく使わないとすぐインクが乾いて書けなくなってしまう。ようするに、水性ボールペンに勝る点が何一つ無いのである。

さらに、私の好みからすると万年筆の大多数はデザインがどうもおっさん臭いというか、今一つ垢抜けない。まあ私はもうおっさんだから別におっさん臭い物を持っても構わないのだが、わざわざ高い金を出して趣味に合わないものを買うのは馬鹿げている。昔ならモンブランやら何やら高い万年筆を持つというのがステイタスだったのだろうが、今はアメリカの大統領でも250円のボールペンを使う時代だ

ということで、実用性の追求というよりは、それなりの値段がする万年筆とはいかなるものなのかという単なる興味で買ってみたのだが、2本とも当たりだった。

プラチナ 万年筆 #3776 センチュリー NICE PUR「ニース ピュール」細字(F)

一つはプラチナ万年筆の#3776 センチュリー ニース ピュールである。#3776というのは、モッチーこと梅田望夫氏の父である作家の故・梅田晴夫氏が監修したモデルなんだそうで、それ自体としては極めてオーソドックスな万年筆だ。このバージョンが変わっているのは軸が半透明だということで、私はスケルトンものというか、中身が透けて見えるのが好きなのだが、これもその一つ。

先にも書いたように、万年筆はしばらく使わないとあっという間にインクが乾いて使えなくなるのだが、最近のプラチナの万年筆にはスリップシール機構というのが備わっていて、キャップが完全気密なので2年間放っておいても使えるというのを売りにしている。私のような、そんなに年がら年じゅう万年筆を使うわけではない人間にとっては非常にありがたい機能で、偉大な発明である。といっても本当に2年保つかは知らないが、とりあえず1ヶ月くらい放っておいても大丈夫なのは確かめた。私が今まで使ったことがある万年筆は、そもそも超がつく安物だからということもあるが、ちゃんとキャップをしていても2週間保たなかったと思う。ニブ(ペン先)はFの細字を買ったのだが、若干カリカリという感じの軽い書き味で、こちらも好ましい。

ただ、この#3776 ニース ピュールも結局キャップをきちんとねじって留めるタイプなので(気密だから当たり前)、面倒なのは変わらない。個人的にヒットというか、万年筆に対するイメージを変えたのは、もう一つ買ったパイロットのキャップレス万年筆のほうである。

キャップがない、ノック式の万年筆というのが存在するというのは知っていたのだが、なんだか無理があるというか、安手のギミックのような気がして最近まであまり興味がなかった。ただ、実際に店頭で試し書きしてみると、さすがに曲がりなりにも50年以上の歴史がある製品だけあって、これがなかなかのものだったのである。ノックするとペン先が出てくるのだが、ちゃんと中にシャッターがあってペン先が乾かないようになっているとか、普通のペンとは逆にペン先のほうにクリップが付いているので、胸ポケットに刺すとペン先が上を向き、インク漏れが起こらないようになっているとか、随所に工夫が凝らされている。

こちらもニブはFを買ったが、書き味はなめらかで、水性ボールペンを使い慣れた人間にとっては何ら違和感がない。私は字を書くスピードが割と早いほうだと思うのだが、ペン先が紙に触った瞬間にインクが流れ出るという感じで、ちゃんと追従してくれる。インクはパイロットのブルーブラックのカートリッジを使っているが、乾燥も早く、すれやにじみも少ない。万年筆は毛細管現象を利用しているので、上向き筆記も問題ない。ということで、実は万年筆は高速のメモ取りに最適なのだった。

といっても、キャップレスの通常モデルは妙にピカピカしていて色もいまいちで、見た目が魅力的とは(少なくとも私にとっては)言い難い。ところが、キャップレス マットブラックというバージョンだけは全てつや消しの黒で統一されていて、なかなか精悍でかっこいいデザインなのである。写真だとちょっとぼってりしているように見えるが、実物はさらにスマートだ。万年筆らしからぬというと変だが、これならギークが持っていてもおかしくない。おすすめである。

といいつつ、実は私自身はマットブラックを買わなかった。というか、買う気満々だったのだが、店頭でキャップレス 絣というのを見つけてしまい、それがとても美しい柄だったので、散々迷ったあげくこちらに飛びついてしまったのである。日本では絣と名付けられているが、海外ではカーボン風(カーボネスク)として展開されているようで、いずれにせよ基本的にはもう廃版らしい。店頭在庫のみのようなので、欲しい人はお早めに。

 

加圧式ボールペンの話

Hipster PDAに限らず、メモを取るには筆記用具も重要だ。私個人としてはとにかく(昔の)油性ボールペンが嫌いで、油性ではありがちなことなのだが書き出しでインクがかすれて出ないことがあると、ものすごく腹が立つ。ムカっとした瞬間に何を書こうとしていたか忘れてしまうことすらある。

そういう意味で一番良いのは鉛筆ないしシャープペンシルで、私も家ではプラチナのプレスマンを愛用しているのだが、胸ポケットに紙をむき出しで入れるHipster PDAなりジョッターなりの場合、どうしても書いた字がこすれて汚れてしまったり、ぼやけて読めなくなってしまうことがある。私のように、どちらかと言えば2B以上の柔らかい芯を好む人間の場合は特にそうだ。あと、鉛筆はいちいち削るのが面倒くさい。

ぺんてる ボールPentel 水性ボールペン 0.6mm 黒 [1本] B100-AD

そんなわけで、今までは主にボールPentelという、書き味は超素晴らしいのだがデザインがびっくりするくらいダサい水性ボールペンを使っていたのだが、Hipster PDAの名付け親であるマーリン・マン氏がフィッシャー社のスペースペン推していたので、ちょっと興味を持ったのである。

スペースペンに関しては、私も名前だけは知っていた。ボールペンは重力がないと上のインクリフィルから下のボールまでインクが落ちてこないので、無重力の宇宙空間では使えない(らしい)。そこでNASAは巨費を投じ、リフィルに窒素ガスを封入して加圧することでインクを強制的に押し出すというスペースペンを開発した。一方、ソ連は鉛筆を使った…というアレだ。実際はほとんど都市伝説というか間違いで、snopes.orgの記事によるとNASAは自前で開発しようとしたのだが金がかかりすぎて断念、鉛筆(というかシャープペンシル)を使っていたのだが、フィッシャー社が全く独立に開発してNASAに売り込み、それを導入したというのが事実のようだ。実のところ、ソ連も間もなくスペースペンに乗り換えている。

それはともかく、構造上基本的にボールペンは下向きで書くべきものなのですね。別に無重力でなくとも、上向きで重力に逆らって書くためにはインクを大気圧以上に加圧して押し出す必要がある。そうしないとそのうち空気が入ってインクが逆流し出なくなってしまうわけだ。実は私は結構寝床でメモを書くことがあるのだが、今までそんなこととは全く知らずに、仰向けになって普通のボールペンで書いていました…。立ってメモを取るときは、上向きとまではいかなくても地面に対して水平くらいの角度で筆記することはよくあるが、これもペンによってはあまり良くないらしい。

Fisher スペースペン ブレット EF400

そんなわけで以前Smithへフィッシャー・スペースペンの実物を見に行ったのだが、本体もリフィルも高いし、デザイン的に一番優れていると思うブレットのEF400というのにはクリップが無く、クリップ付きのものはなんだかバランスが悪く、もう少し普通のボールペンらしい風体のものはクリップがスペースシャトルの形をしているとか、星条旗があしらわれているとかいう案配で、土産物としてはいいが日常使いにはややハードルが高いように思われた。

トンボ鉛筆 加圧式油性ボールペン エアプレス BC-AP12 フルブラック

加圧式のボールペンは今となっては別にフィッシャーの専売特許ではなくて、日本のメーカーからも遙かに安価なものがいくつか出ている。三菱のパワータンクトンボのエアプレスが有名のようで、試しにどちらも買ってみたが、インク自体はジェットストリーム以前の普通の油性インクなので特筆すべきところはないものの、少なくとも書き出しでかすれることが全くないのには感心した。パワータンクは専用の加圧済みリフィルが必要なのに対し、エアプレスはノック時に圧縮空気をリフィルに送り込んで加圧するタイプで基本的には普通のリフィルなのだが、エアプレス本体が短いのでリフィルも短い専用のものを使う必要がある。パワータンクはいかにも事務用品という感じだが、エアプレスの特にフルブラックというモデルは、黒を基調に差し色として赤が入っていて、なかなか精悍なデザインで気に入っている。

パイロット ダウンフォース BDW-40F-B

パワータンクもエアプレスもいいけれど、普通の長さのリフィルが使えるのはないかなと思ったら、同じことを考えた人がメーカーにもいたようで、パイロットが出していた。ダウンフォースという名前で、エアプレス同様ノックでリフィルを加圧するタイプだが、普通の長さのリフィルが使える。デザインは今一つどんくさいが、ウェブサイトはなかなか気合が入っている。メーカー推奨ではないものの、パイロットが出している低粘度油性インク、アクロインキのリフィル(BVRF-8EF)も使えるので、さらになめらかな筆記が楽しめるのもメリットだ。胸ポケット等に刺してクリップが開いているときにはノックが自動的に解除される機構が備わっているので、いつの間にかペン先が出ていてシャツに前衛絵画が描かれているということもない。ここしばらくはこれを使っていた。

なぜ使ってい「た」と過去形なのかというと、実は誕生日のプレゼント(もちろん自分に)として万年筆を買って、最近ではこちらを使うことが多いからである。この話はまた後日。

 

TOTONOEのジョッターというかキャリーボードの話

TOTONOE トトノエ キャリーボードカードブラック TCB0201-BK

Hipster PDAの話を書いたら、敬愛する白田秀彰先生が

と反応してくださった。

私も、移動中の走り書きには本来ジョッターが最強だと思う。何と言っても、固い下敷きになって筆記が安定するというのが大きい。その割に使っている人をほとんど見たことがないのだが、便利だと思うんですけどねえ。普及しない理由としては先の記事にも書いた通り、どうも高級というかファッション的な革製品が多く、単機能の割に高価で大きく分厚くなりがちというのがあるように思う。IDカードの裏に紙をセットするようなものも結構あって、私も一つ持っているのだが、年がら年中首からIDカードを下げているというわけでもないので、肝心なときに手元に無いということが結構あった。

Hipster PDAへ行き着く前の試行錯誤で購入して感心したのが、TOTONOEキャリーボードである。A4はじめ様々なサイズがあるが、5×3カードというのがジョッターに使える。コクヨMVPという、鳥取にあるコクヨの関連企業というか工場が立ち上げたブランドのようで、紙で出来ていて安価だが、十分な強度がある。紙はクリップ等ではなくベロで挟むつくりなのだが、紙をセットする面には滑りにくい人工皮革的な加工がされているので、相当筆圧をかけて書いてもずれることはない。全体に実に考え抜かれたつくりになっていて、デザインも非常に洗練されている。後でディレクターがYMSK Design Worksの山崎宏と知り、納得するものがあった。私は山崎が手がけたYMSK 名刺&メモホルダーを長年愛用しているのだが、これも使い勝手とデザインが高いレベルで融合していた傑作だったからだ。しかしなんですな、昔のブログを読み返すと、私は10年前から今と同じようなことを考えていたようで我ながら呆れた。当時は5分は覚えていたらしい。最近は数秒である。年は取りたくないものだ。

TOTONOEの製品は、出来が良い割にLOFTなどのリアル店舗ではほとんど見かけないのが不思議と言えば不思議である。別に通販限定というわけでもなさそうなのだが…。

私個人としては、胸ポケットに入るというのが絶対条件なので5×3がダメで、また名刺サイズは手が大きいので書きにくく、かつベロで隠れるので筆記可能部分が案外狭いということもあり使っていないのだが、ジョッターに興味があって、そういうのが気にならない向きには試してみる価値が十二分にあると思う。なにせ千円しないし。

 

蘇るHipster PDA

Hipster PDA

歩いているときなど移動中にいろいろとアイデアを思いつくのだが、数秒後には忘れてしまうことが多い。大方は絶望的にくだらないのでどうでもいいと言えばどうでもいいのだが、なまじ忘れたことだけは覚えているので、なんだかものすごく良いアイデアだったような気がして無駄に腹が立つのである。

スマホに入力する、あるいは「ツイン・ピークス」のクーパー捜査官よろしくICレコーダへ吹き込むということも考えたのだが、前者の場合えっちらおっちらタッチパッド入力している間に何を考えていたのか忘れてしまうことがあり、後者は風体が明らかに不審者なので、心理的障壁が高すぎる。この種のものはアナログな手書きのほうが良い。

私は長年メモ帳としてコクヨの測量野帳を使っているので、まずはこれを使おうとしたのだが、表紙が固く立ったままで書きやすい一方、やや大きすぎて私の服の胸ポケットに入らない。スーツなら良いのだろうが、私が普段着ているようなシャツだと名刺サイズ+α以上は無理である。表紙があまりにもがっちり固いので、尻ポケットにも突っ込みにくい。いちいち鞄から出すのも面倒だし、出している間に何を書こうとしていたのか忘れてしまうこともある。

名刺やクレジットカードサイズのメモ帳というのもいろいろなところから売られていて、ロディアのNo.11などもこのカテゴリに入ると思うのだが、これらの多くは胸ポケットに入れるには分厚すぎる。じゃあ薄ければいいのかというと、薄いメモ帳もあるにはあるのだが、薄いとすぐ使い切ってしまうわけで、今度はランニングコストがバカにならない。また、私の指が太いせいか、名刺サイズだとあまりにも小さすぎて書き込みにくいという印象がある。腰リールに単語帳やミニペンを付けておくというのも昔やっていたが、同じ理由で厳しい。むき出しでぶら下げていると格好悪いし、ポケットに入れるとかさばるのも感心しない。

帳面ではなく紙を数枚挟むだけのジョッターというものもある。一般的にはあまり普及していないが、なかなか便利なものである。しかしこれも高価な革製品が多く、かつ先に挙げた野帳や名刺サイズメモの問題点の多くが当てはまってしまう。派生としてA4の適当な紙を折りたたんでメモとして使うというabrAsusの「薄いメモ帳」のようなものもあり、実はIDケース with 保存するメモを買ってしばらく使っていたのだが、私のように大量にメモをとる人間だと、いちいち紙を折るのが面倒だった。

という、実にどうでもいいことをここ数年じくじくと考えていて、試行錯誤もしていたのだが、当面の結論としては、

5×3の情報カードを10~15枚くらいクリップで留めて持ち歩く

という、あんまりと言えばあんまりなソリューションのが私の用途には最も適しているようだ。5×3インチ(127mmx76mm)という手のひらに収まるサイズで、固い厚紙ではないものの10枚もあればそれなりにコシもあり、補充も簡単。ロディアなどはミシン目が入っていて切り取り易いというのが売りの一つだが、これはそもそもカードなので、他人に渡すのも他のノートへ貼り付けるのも簡単である。

情報カードは、私の場合たまたま手元に埃を被っているのがあったが、最近では絶滅危惧種であろう。東急ハンズクラスの大きな店へ行くか、Amazonで買うしかないと思うが、実は100円ショップのダイソーにも売られている。インドネシア製のようで、ライフやコレクトなど専業のメーカーのものに比べてやや薄くてペラペラしているのだが、何せ100円だから文句は言えない。根がケチということもあり、安くないと気兼ねなく書き散らせないので良くないのである。ちなみに野帳は40枚綴りで200円くらいなので(まとめ買いすればもっと安くなるが)、1枚あたり5円。ロディアのNo.11も200円くらいで80枚綴りなので、1枚あたり2.5円。一方ダイソーの情報カードなら1枚1円である。ちなみに情報カードはビニール包装のままだと一枚ずつ出しにくくてムカっとするのだが、リヒトラブの情報カードケースに入れておくと取り出しやすく散らばらないので便利だ。なお、私は野帳やロディアに慣れているので方眼(セクション)を使っているが、無地でも良いのではないかと思う。

当初これは私のオリジナル・アイデアだと思って内心悦に入っていたのだが、調べてみたら11年も前に同じことを考えていた人がいた。Hipster PDAである(日本語の解説記事)。知己を千載の下に求めるというやつであろうか(大げさ)。PDAという略称がすでに相当懐かしい感じだが、これはPersonal Digital Assistant(携帯情報端末)ではなくParietal Disgorgement Aid(脳内ゲロ吐き支援)のつもりらしい。こちらのほうが実態に即しているというか、なかなか言い得て妙である。どうも前者の意味に取った人が多かったようで、印刷用テンプレートを作ったり、あれこれ工夫をする人もいたようだが、そもそも面倒なのがイヤだからやっているわけで、個人的には、出来合いのカードをそのまま無反省に挟む、というほうがむしろ本旨に則していてクールなように思う。よれてきたら捨てて新しく作れば良いのである。

ちなみに情報カードを綴じるクリップだが、サンケーキコムのサイドレバークリップ(小)が絶対のおすすめだ。普通クリップなんかに誰も注意を払わないし、世間的には全く存在が知られていないような気もするが、私がここ10年くらいで最も衝撃を受けたアイテムといっても過言ではない。見た目はただのクリップなのだが、ハンドルが45度傾いて付けられているので、ハンドルを真横にたためるのである!言葉で書くと意味が良く分からないと思うが、写真を見てもらいたい。めくりやすさが段違いである。誰だか知らないがこれを考えた人はまごうことなき天才だと思う。こんなつまらないことで興奮できる自分がいとおしい。

 

プラチナ プレスマンの新バージョンがひっそりと出ていた

プラチナ プレスマン シャープペン 速記用0.9mm芯2B 2105010

プラチナ プレスマンというシャープペンシルがあって、3年ほど使っている。なぜ3年とはっきり分かるのかというと、初めて買った当時ブログ記事を書いたからだ。プレスマン自体に関しては3年前書いたことに付け加えることは何もなく、一言で言えば安物(Amazonでは500円とかだが文房具屋ではふつう200円くらいで売っています)だが大変使い勝手の良い、元が速記用だけに特に走り書きに最適なシャーペンで、私も含め各地に狂信者が多くいるのだが、実は最近出先で(ペンケースごと)失くしてしまったのである。

で、池袋のLOFTで新しいのを仕入れたのだが、使ってみてもうびっくり仰天ですよ。以前はやや固めでカチカチ音がしたノックが、やたら軽くなっていたのだ。なんでそんなことでびっくりするかというと、このプレスマンは、1978年に登場してから全くモデルチェンジすることなく出続けている、シーラカンスみたいなシャーペンだったからである。私より年上なのだ。

プレスリリースによれば、「日本で実用的シャープペンが誕生してから100年に当たる今年に合わせて利用者の声に耳を傾けロングセラー『プレスマン』を改良」したんだそうで、「先端セーフティースライド機構のクッション圧を高めにして意図しない芯スライドを防止」「芯を出す時のノック音を大幅に低減」「ノック圧を軽くする事によりスピーディで軽快な芯出しを実現」などと謳われている。実際ノックが非常に軽くなり、カチカチ言わず静かになったのは誰でもすぐ分かる。

まあ、カチカチ言うほうがクリックし甲斐がある、という人もいたと思うし、たぶんこちらのブログで分析されているとおり、改良というよりは単にコストカットしたかっただけなんだろうと思うが、私はどちらかというと新バージョンのほうが好きである。文房具屋では新旧が混在しているようなのだが、新バージョンは軸のPRESS MANというロゴに三本白い線が入っているので見分けが付く。

 

オート 採点ボール1.5

オート ボールペン 採点ボール1.5 CFR-150S-LL1P

今頃になって春学期末の試験やらレポートやらの採点を(いろいろな意味で泣きながら)やっているのだが、ところで皆さん赤ペンはどのようなものをお使いでしょう。赤ペンなんかもう使わないか。私も小テスト等はMoodleで自動採点するようにしたし、メールでもレポートを受け付けるようにしているので、使う頻度は明らかに減ったのだが、それでもペンで何かに赤を入れるということはそれなりにある。

多くの方はいわゆるラインマーカーというのか、フェルトペンというのか、ようするにゼブラのマッキーみたいなものをお使いではないかと思う。ところが私はどうも変なところで敏感で、ああいうのが紙にこすれて立てるキュッキュッないしシュッシュッといった音や感触がとても苦手である。ちなみに発泡スチロールを砕くときの変な音も嫌いだ。なのでできるだけ使いたくない。

そういうごくニッチな、あるかないか分からんような需要になぜか今年になって正面からフルスイングで応えてくれたのがこれである。ボールペンというのは、当然ペン先にボールがついているからボールペンというわけだが、そのボールのサイズが1.5mmという極太なのだ。普通のボールペンの多くは0.5mmとか0.7mmだから、ようするに2倍以上太いわけだ。ちなみに1.0mmのバージョンもあるらしいが、そんなものをわざわざ選ぶのは日和見野郎の腰抜けだけであろう。さらにこれは水性ボールペンなので、紙の上をほとんど無抵抗に滑るような書き心地がたまらない。もうぬるぬると言いますか、シュルシュルと言いますか、ドバドバとインクが出てくるのである(その割に案外裏移りはしない)。これで採点すると、マルをつけるにしてもバツをつけるにしても気分だけは良い。

そもそも前史として、同じ会社の筆ボールというのがあったわけですよ。私はひょんなことからその存在を知り、以来気に入ってずっといたずら書き用に使っているのだが、正直今一つ実用性に欠けるペンではあった。「筆」ボールという割に筆ペンとは全く性格が違うもので(なにせボールペンだし)、毛筆の代用にはならず、かといって筆記用のボールペンとしてはどう考えても太すぎる。筆ボールには実は黒だけではなく赤もあったらしいのだが、たぶんこの採点ボールは筆ボール・赤の名前を変えただけなのであろう。今から思えば、性能は優れていたのに用途が見いだされていなかったというわけだ。オートという会社は商売気が無いのかやる気がないのかそもそも製品ページすら無いのだが、150円で妙な気分を味わいたい方には絶対のおすすめである。

 

三菱鉛筆 ユニボール ビジョンエリート

三菱鉛筆 ユニボール ビジョンエリート 0.5mm UB200-05 黒

オバマ大統領が使っているという話を聞いて、根がミーハーなものですから、早速買ってみたのである。しかしアメリカの大統領でも、今では日本の250円のボールペン使ってるんですねえ。シェーファーとか、ウォーターマン(倒産して今はフランスの会社だけど)とか、重厚に米国製の万年筆でサイン、という時代ではもうないのか。

私はローラーボールというか、いわゆる水性ボールペンのサラサラ軽い書き味が好きなのだが、最近はたとえば同じ三菱でもジェットストリームのような新油性ボールペンや、シグノのようなゲルインクボールペンに押されて、水性ボールペンは絶滅危惧種と言っても過言ではない。なめらかさも重要だが、とくに私は書き出しがかすれると猛烈に腹が立つので、その点従来だと少なくとも油性ボールペンという選択肢は全くあり得なかったのだが、最近はだいぶ改善されてきましたしねえ。

オバマ云々はさておき、これは元々海外で先に売り出されたもののようで、外見はだいぶ違うものの書き味はユニボールアイとそっくりである。新開発の「エアプレーンセーフ」機構なるものを採用していて、飛行機などで空気圧の急激な変化があってもインク漏れの心配なく使えます、というのだが、わたくし何度も飛行機に乗っていますけど、ペンのインクが漏れたことは一度もないのですが…。最近の飛行機は気圧管理がきっちりしていますしねえ。

というわけで、普通に良い水性ボールペンである。見た目が(若干)洒落ているので、いかにも事務用品然としたユニボールアイや、パイロットのVコーンがイヤな人は、探してみるとよいだろう。

 

WordPressのJetpackが接続できなくなった場合の対策

いつの間にかJetpackがWordpress.comに接続できなくなっていたようで、以下のようなエラーが出ていた。

Jetpack を利用するには、サイトが公開されていて、アクセス制限がかかっていない必要があります: site_inaccessible
エラー詳細: The Jetpack server was unable to communicate with your site [HTTP 403]. Ask your web host if they allow connections from WordPress.com. If you need further assistance, contact Jetpack Support: http://jetpack.me/support/

ようするにjetpack.wordpress.comからうちのWordPressのxmlrpc.phpにアクセスできないということで、しばらく設定をいじっていなかったのに変だなと思ったのだが、このところxmlrpc.phpがDDoSの踏み台に使われることが多いため、レンタルサーバ屋のほうで国外からのアクセス制限をかけたということらしい。

そこでWordPressをインストールしたディレクトリの.htaccessに

<Files ~ "xmlrpc.php$">
allow from 192.0.0.0/16
allow from jetpack.wordpress.com
deny from all
</Files>

を追加して対処した。本来はjetpack.wordpress.comをallowするだけでいいはずなのだが、実際には192.0.?.?から適当に見に来るみたいなのでサブネットマスクで指定。