Hipster PDAの話を書いたら、敬愛する白田秀彰先生が
ジョッターというものがあるのだけど、あれと細い鉛筆が最強かと思う。あとは、PC上の文書をきれいにジョッターの紙の大きさに印刷できるプリンタがあれば、それで充分なんだが、それがなかなかない。 名刺サイズの紙に、Googleの地図なんかを鮮明に印刷できるプリンタありますか?
— ロージナ茶会 (@RodinaTP) 2015, 8月 25
と反応してくださった。
私も、移動中の走り書きには本来ジョッターが最強だと思う。何と言っても、固い下敷きになって筆記が安定するというのが大きい。その割に使っている人をほとんど見たことがないのだが、便利だと思うんですけどねえ。普及しない理由としては先の記事にも書いた通り、どうも高級というかファッション的な革製品が多く、単機能の割に高価で大きく分厚くなりがちというのがあるように思う。IDカードの裏に紙をセットするようなものも結構あって、私も一つ持っているのだが、年がら年中首からIDカードを下げているというわけでもないので、肝心なときに手元に無いということが結構あった。
Hipster PDAへ行き着く前の試行錯誤で購入して感心したのが、TOTONOEのキャリーボードである。A4はじめ様々なサイズがあるが、5×3とカードというのがジョッターに使える。コクヨMVPという、鳥取にあるコクヨの関連企業というか工場が立ち上げたブランドのようで、紙で出来ていて安価だが、十分な強度がある。紙はクリップ等ではなくベロで挟むつくりなのだが、紙をセットする面には滑りにくい人工皮革的な加工がされているので、相当筆圧をかけて書いてもずれることはない。全体に実に考え抜かれたつくりになっていて、デザインも非常に洗練されている。後でディレクターがYMSK Design Worksの山崎宏と知り、納得するものがあった。私は山崎が手がけたYMSK 名刺&メモホルダーを長年愛用しているのだが、これも使い勝手とデザインが高いレベルで融合していた傑作だったからだ。しかしなんですな、昔のブログを読み返すと、私は10年前から今と同じようなことを考えていたようで我ながら呆れた。当時は5分は覚えていたらしい。最近は数秒である。年は取りたくないものだ。
TOTONOEの製品は、出来が良い割にLOFTなどのリアル店舗ではほとんど見かけないのが不思議と言えば不思議である。別に通販限定というわけでもなさそうなのだが…。
私個人としては、胸ポケットに入るというのが絶対条件なので5×3がダメで、また名刺サイズは手が大きいので書きにくく、かつベロで隠れるので筆記可能部分が案外狭いということもあり使っていないのだが、ジョッターに興味があって、そういうのが気にならない向きには試してみる価値が十二分にあると思う。なにせ千円しないし。